外。 ページ9
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まだ朝なのにムシムシする夏の空気は肌にべたっとくっつくよう。
「あつ、」
ボソッと呟くと、「朝やのにな、」と笑って言った。
ドキン、
…あぁ、何回目だろうか。彼に胸を高鳴らせるのは。
「夏だからしょうがないですよね、」
(あっ、)
思わず口を塞いで、彼の方を見る。
Zm「敬語、」
注意されてしまった。やはり抜けるのは時間がかかるらしい。
「う、ん、ごめん。」
Zm「フッ、ええって、そんな気にしてへんし、」
前を見ながらクシシ、と笑いその横顔を見つめてしまう。
顔はフードであまり見えないものの、フワッと笑う横顔がすごく綺麗だった。
Zm「ん？、どうしたん？」
こちらに気がつかれた。私は慌てて、「なんにもないよ」と言った。
Zm「ふーん、でどっか行きたいところある？」
「いや、特にはないかな。…朝御飯食べる？」
そう言えば朝御飯を食べずに出てきてしまったことを思い出した。
チラッと彼を見るとパァッとさっきよりも口角が上がった。
Zm「食う！」
________
部屋一杯に香る美味しそうな匂い。
私はうどんを食べていた。こってりしてないので朝でも食べやすかった。
そして、隣で美味しそうに食べてる彼。
お店の人も「お兄ちゃんいいたべっぷりやなぁッ！」と言われていた。
そんな彼の隣でちゅるちゅるうどんをすすってる私。
子供のような顔してる彼を見るのは結構好きだ。
________
Zm「うまかったぁ〜」
「私もお腹一杯」
Zm「うどん一杯でか？」
「うん」
そんな、和やかな会話をしていると、ピヒッというどこからか聞こえる音。
すると彼は「、ちょっと待っててくれんか」といってどこかにいってしまった。
人間の好奇心は恐ろしいもので私はこっそり気付かれないようについてきてしまった。
「ん、わかった、明日には帰るわ。」
「見られてへんって、だいじょーぶ。」
「もうちょいだけ、」
「んー、なんとなく？」
「…あいつら二人だけやろ？終わっとるって」
うっすら聞こえてくる声。
チラッと彼を見る
…あぁ、なんで。
彼の指で綺麗に回るナイフ。キラッと日光に浴びせられ反射する。
わかってしまった気がする。
彼は、
ゾムは、
スパイなんだろう、
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作者名：狐兎 | 作成日時：2021年2月14日 23時
