おふろ、 ページ6
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「お邪魔、します」
綺麗なホテルの部屋に恐る恐る入る。
Zm「ええって、」
お金どうしようとか、私こんな部屋に泊まっていいのか？とか、考えていると、
Zm「風呂、入ってきや、」
「え、でも、」
この部屋を貸してくれてるのは彼だ。申し訳なさもあるわけで、とっさにそんな声が出る。
Zm「ええって、はやく」
ほんとは彼が入るべきだけれど、自分の思いを押し通すより彼の優しさに甘えてしまった方が楽かもしれない。
「ごめんなさい。ありがとうございます。」
ペコ、と頭を下げた。
着替え、どうしたらいいのか、
____
下着だけでも取り替えたかったが、こうなるとは思っておらず、どうしようか、と考えながらちゃぷん、と風呂に入る。
(あったかい)
家の風呂よりきもち大きめの風呂に全身を浸からせた。
入浴剤も既に入っていたが、いつ入れたのだろうか。
入浴剤のフワッと香る華の匂いが鼻を掠める。
グッと体を伸ばすとどこかの骨がゴキッと鈍い音をたてた。
温かい湯船からﾃﾞﾀｸﾅｲ気持ちもあったが、ゆっくりと立ち上がり、シャワーを浴びる。
頭を雑に洗ってしまうのは女としてどうなのか、と自分でも思うが“めんどくさい”という理由で雑になってしまう。
体を泡立てたボディーソープで体を洗う。
モチッとした泡からは必然的に高級なものだとわかる。
ホテルに泊まったのは小さい頃でほとんど覚えていないけれど、きっとここはそのとき泊まったところよりも高級そうだ。
全身を洗い流して、風呂場からでると涼しく感じる外気。
「…下着、」
忘れていた訳ではないが、どうしようか。
まあいい、気持ち悪いが履いてたやつを履く。
ここにはありがたくバスローブがあったため、それを着た。
_____
「あがりました。」
暇そうにテレビを見ている彼に言う。
Zm「ん、」
と軽く返事をし、被っていたフードをとる。
何気に見たことがなかった彼のフードを取った姿。
少し長めの髪の毛は１つに纏めてあった。
(髪、長めなんだ)
束ねてある髪の毛は少し癖があるものの、さらっとしてて羨ましい。
暇になってしまった私はゴロン、とソファに寝転び、ゴロゴロしていたら、睡魔が襲ってくる。
もう瞼がくっついてるのかすらもわからなくなっていく。でもうっすら意識はあった。
そのとき、ゾムが風呂場からでてきた。
彼は私が寝ていると思ったのか、毛布を1枚掛けてくれた。
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作者名：狐兎 | 作成日時：2021年2月14日 23時
