紅 ページ13
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私は、
人を好きになったことがなかった。
いや、そもそも興味を持てなかった。誰にも。
母や父にも。
いつ死んでも私は悲しまない。所詮血が繋がっていようと、その人はその人だ。
他人だから。
私意外どうでも良かったのに、たった1日彼と居ただけで心臓がえぐれそうな感覚に襲われてしまった。
私は男性と恋人という関係を持ったことがなかった。
ただ、浮かれてるだけかもしれない。
好きだと思い込んでるだけかもしれない。
これは愛ではないかもしれない。
でも、
もういいや。
死んでしまおうか。
私はナイフに力をいれ、思いっきり首に当てた。
それを止めてくれようとするゾム。
ゾムが差し伸べた手よりも、首から血が飛ぶ方が早かった。
ゾムの顔は焦っていた。その顔に私の血が飛び散った。
ドクンドクンという熱さと痛み。あまり深くは切れなかったのか、しばらく意識はあった。
Zm「おいッ、A！！！」
声は聞こえるも声はでない。
ただかろうじて上がる口角をあげるだけ。
ねぇ、馬鹿な女だって思うでしょ。私だってそう思う。
２日の間で好きになって、首を切るなんて、
ゾムも馬鹿だよ。私を好きなんて、なんなきゃよかった。嘘かもしれないけど。
貴方が突き放してくれれば、、よかったな。
私は口だけを動かした。
Zm「は！？なんやってッ…！？」
翠の綺麗な瞳からボタボタ涙が流れていた。
『 だ い す き 。』
それがわかったのか、さらに透明な液が私の頬へと垂れた。
Zm「もう、ええ、もうええからっ…！」
意識がなくなったのは、その言葉を聞いてすぐだった。
____
ハッピーエンドになるといいのですが。by作者
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作者名：狐兎 | 作成日時：2021年2月14日 23時
