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どうせならば。 ページ12
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その言葉を聞いた瞬間、ドクンと高鳴った心臓と、どうしても叶わない恋に腹をえぐられるような感覚。
そっか、
そうなんだ。
どうせは叶わぬ恋なのか。
異国のスパイに恋をした私は報われることはない。
異国の凡人に恋をした彼も報われることはないのか。
運命とは、なんなのだろうか。
これは運命ではない。結ばれることは決してない恋なんて、運命なのか。
翠色の瞳は私を捉えて離そうとはしなかった。
どうしようもない愛しさが込み上げてくる。
また鼻がツン、とする。
だいすき
愛しい。
でも、
叶わぬ恋とわかってしまった。
ならば、私の想いは、
私の、愛は、
.
どうなってしまうのだろうか。
どこへ行ってしまうのだろうか、
.
私はゾムからナイフをとった。
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作者名：狐兎 | 作成日時：2021年2月14日 23時
