私幽霊らしいです【wrwrd!】 (ページ8)

今日:18 hit、昨日:1 hit、合計:141,030 hit

６話ページ8

.

ベッドの中で眠っているのは、私とディクリア。
眠っていると言っても、もう二度と目覚めることはないのだけれど、なんて。
こんな状況じゃなければ、なんてアホヅラで寝てるんでしょ、と自分の寝顔に向かって言っていただろう。

私は、おでこを一発撃たれて死んでいる。死因はこれだろう。
人間である限り、脳を撃たれればみんな死ぬ。私が弱いわけではない。
脳を狙って撃つなんて、完璧に殺そうとした一撃。
寝ている間にぽっくり逝ったなんて、本当に馬鹿みたい。こんなアホヅラして逝くなんて、本当にアホらしい。

正直、これを見ただけで息を飲んだ。頭に穴が開いていて、そこから大量の血が出ているのよ？叫ばなかっただけ、私は優秀よ。でも、私なんて正直どうでもいい。
問題は、ディクリアだ。

ディクリアも、私と同じようにベッドの上に倒れていた。
でもディクリアは、私と同じように頭を撃ち抜かれて死んでいたのではない。

身体中に穴を開け、息絶えていた。

しかも、心臓や頭に当たっている銃弾はない。
どうして？どうしてどうしてどうして？
こんな、こんな惨い殺し方をするなんて、なんて酷いの。
私の妹よ？大切な、世界中どこを探しても1人しかいない、大切な大切な、世話の焼ける妹よ？

こんなことできるなんて、人間じゃない。
人を殺そうとするなんて、まずそこからおかしい。
それだけでおかしいのに、こんなに惨い殺し方をするなんて。許せない。許さない許せない許せない許せない！！！

許さない。絶対に許さない。許してたまるものですか。私が許したら、あの子が報われない。さぞ苦しかったことでしょう。さぞ悲しかったことでしょう。さぞ痛かったことでしょう。
どうして、人を苦しめ殺すことができるの？信じられない。ゆるせない。

今はもう動いてないはずの心臓が、ぎゅっと、鷲掴みにされたような気がした。

.