私幽霊らしいです【wrwrd!】 (ページ7)

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５話ページ7

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かひゅっ、と、喉がへんな音を出す。

手が震え、汗が出て、腰が抜けて、過呼吸になって、

なんてことは、なかった。

手なんて震えないし、汗なんて出ないし、腰なんて抜けないし、過呼吸になんてならない。

なんなら服装も変わっている。
私が寝るときに来ていたのは、薄いブルーのナイトガウンだ。ふわふわとした、温かいもの。

なのに、今私は白いブラウスに黒のリボン、黒のスカート。これは、私の正装のようなもの。いつもいつも、来ていたデザインの服。

ベッドに近寄ってみる。歩こうとすれば、世界がスライドされていくように見えた。

上下にはなにも動かず、ただ横にだけ動く。
これは、この景色の動き方はまるで、歩いているというか、地面が動いている感じ。

歩く靴音もならない。
不気味に思い足元を見た。

見るんじゃなかった。
足？そんなのないではないか。

薄々感づいていたのかもしれない。自分はもうこの世に存在していないのではないかということは。
それでも、こんなことありえないことだと頭の中で頑なに否定していた。科学的に証明できなければ、そんなのただの空想だと片付けるから。

私は今、どうなっているのか。魂だけ？世間で言う、人魂というものかしら。今は、青白い炎でふよふよと空中を漂っているのかもしれない。

でも、なぜだろう。半透明だが、手は見える。

なに？幽霊になったとでもいうの？
そんなの、ホラーゲームの中だけにして頂戴。まだ人魂の方がいいわ。

そう考えながら、ベッドを覗き込んだ。

貴「っ、！？」

半透明の手で、思わず口元を覆った。
胃の中身が逆流してくるような寒気がして、思わずとった行動だが、出てきたのは消化されかけの食べ物ではなくただの空気。
はっ、なんて情けない声を出してしまった。

でも、無理ないじゃない。

なによ、なによこれ。

………なんなのよ。

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