私幽霊らしいです【wrwrd!】 (ページ45)

今日:12 hit、昨日:1 hit、合計:141,024 hit

３９話ページ45

.

んな大きな声出したら、ここにいることバレるだろ。そしたら黒い少女とか飛んできて、俺ら一瞬でピチューンやって。

それに幽霊やからこの瓦礫通り抜けるやろ？んでみんなして…。おい何してくれてんねんこのチワワ。

うるせぇわ、そう一言怒鳴ろうと拳を振り上げるが、その拳がコネシマに当たることはなかった。

何故なら、

zm「コネシマ無事か！！！」

瓦礫の向こうから、大切な仲間の声が聞こえてきたから。

握った拳が震えた。やっぱ、俺が声小さかっただけなんや。よかった、良かった…！！

いつもふざけて戯れあった仲間。躊躇なく「死ね」なんて笑いながら口にしているが、あいつらが本当に死んだら、俺はどうなっていたのか、この先どうしたのか……。

仲間のありがたみを、この体で体験できた。俺は幸せだな。恵まれているよ。

sha「ゾムも無事か！！俺は大先生とおる！俺と大先生、どっちも無事や！！」

切羽詰まった、けれどもどこか安堵したような声色に、そうだ、まだ安心できる状況ではないと、気を引き締めた。

全員の安否確認ができていない今、ぬか喜びになるのだけは避けたい。喜んだ後に絶望の底に落とされるのは、どれほど辛いことなのだろうか。想像するだけで身震いしてしまう。

あいつらのことを信用していない、というわけではない。そういうわけではないが、人間には限界がある。
あいつらだから、あいつらなら、そんな過度な期待が己を滅ぼすことは、知っている。

信用し過ぎればそれは依存だ。

って思ってたけど、数秒後、いい意味で俺の期待を裏切ることとなった。

syp「こちらショッピ、エーミールさん、オスマンさん、ひとらんらんさんと一緒です！！」

ci「つまり、全員無事………。」

奇跡や。これはほんまに奇跡や。

やってくれるやつらやで…ほんまに…！！

rb「…んぁれ？チーノ…ないとる…？」

ci「ないっ、泣いてへん！！泣いてへんよ！！」

壁に寄りかかっていたロボロがチラリと上目遣いでこちらを見て、苦しさが抜けない顔でニヤリと笑う。

ロボロだって、絶対死なない。死なせない。

まだこの屋敷から脱出できたわけでないが、脱出への道に光がさした気がした。

gr「この瓦礫を乗り越えるのは、流石に難しい！！違うルートをつかって、合流するしかない！！

お前ら、生きて会おう！！！」

全「おぉ！！！」

絶対に、心で折れちゃいけないもんな。

.