私幽霊らしいです【wrwrd!】 (ページ36)

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３２話ページ36

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そう意識した途端、突然痛くなる。いてて、いててててて…。

骨折の時の応急処置。まずは冷やすのだが…この屋敷の水道から水が出るなんて到底思えない。無理だ。

取り敢えず、折れたのは腕っぽい。腕なら、添木なんかで固定して包帯を巻けばいいか。そんで、三角巾かなんかで首から吊るせば大丈夫。

そう思って左腕を庇いながら救急箱の中を探していれば、ガサゴソという音が気になったのかトントンが後ろを振り向いた。

tn「…ぺしん？どうしたん。」

そんな彼に折れたっぽいという趣旨を伝えると、大変やと言って添木的なものを探すのを手伝ってくれた。

tn「やっぱぺしんひとりで行かせなきゃ良かった…。案の定、あいつが襲ってきたんやな。どいつもこいつも同じやないか。幽霊なんて…はぁ。」

ぶつくさそう呟きながら探すので、何かと耳をすませばそう言っていることが聞き取れた。

誤解だ。彼女はちがう。

sn「違う、あの子は違うよ。これは、妹の方にやられたんだ。上の子の方は助けてくれたよ。救急箱の場所もちゃんと教えてくれた。」

妹の方が見たものが幻覚であろうが、彼女という存在に救われた。でなければ、俺はきっと、今頃…。

トントンが俺の呟きを拾ったようで、勘違いしてすまんかったと謝った。謝る相手は俺じゃないのに。

そんなことを考えているとトントンが添木的なものを見つけてくれたようで、それを手渡してくれた。

tn「おれはどうすればええ？」

sn「俺がこれを持ってるから、上から包帯で固定して欲しい。」

tn「わかった。」

どんどんひどくなっていく痛み。だが、ロボロはもっと痛いだろう。なんせ、あんなに深く肉が裂けたのだから。

そう考えると、俺だけ泣きじゃくってはいられない。そんな気分になれて、不思議とこの痛みにも耐えれる気がした。

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