私幽霊らしいです【wrwrd!】 (ページ35)

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３１話ページ35

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よたよたと壁をつたりながら一生懸命前に進む。気がつけば、みんなの元へ戻ってこれたみたいだ。
チラチラと控えめに光る懐中電灯の光が、眩しく見えた。

sn「みんなっ……！」

ht「ひっ！？…ぺ、ぺ神！？」

ずりずりとなる音と俺の声に驚いたのか、ひとらんが一番最初に反応する。が、俺が帰ってきたのだとわかり、見るからに表情を明るくさせた。

ロボロはどこだ、と探せば、地面に寝転んで仰向けに倒れているロボロを見つけた。息が荒く、靴下はもはや赤を通り越して黒に染まってきている。

腕の痛みなんか忘れて、ロボロに飛びかかった。どうやら靴下はくるぶしが見えるまで下げられていて、ハンカチできつく結ばれていた。

応急処置としてはバッチリだろう。あの時俺は幽霊の女の子に夢中で、応急処置なんて頭からすっかり抜けてしまっていた。医者目指すものとして失格。

このハンカチは、ゾムのだ。きっとエミさんあたりが指示を出して、指先が特別器用なゾムが結んだのだろう。ベストな結び方が施されている。

…なんて、イキってる場合じゃない。はやく処置を施そう。

かちゃりと救急箱を開ければ、古くなりすぎて黄ばんだ包帯などが沢山出てきた。何十年も前のものだと思われるが、清潔は保たれていそうだ。いったい、どんな保存方法をすれば何十年経っても清潔な包帯が維持できるのだろうか。

ハンカチを外し、決して浅くなっていない傷口から血が流れ出る。流石に消毒液などを使うのは不味そうだから、ロボロの唾液を塗っておこう。
雑だって？唾液は万能なんだぞ。まぁ俺の唾液でもいいんだけど？？？俺的には？？？

ガーゼを当てて包帯を巻き、はい完成。

不思議なことに、いつもよりもうまくいかなかった。なんか、左腕に力が入らないんだよね。

動かすのは痛くて無理、力が入らない……。

あれ、やば折れたかも。

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