私幽霊らしいです【wrwrd!】 (ページ31)

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２７話ページ31

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情が湧いたとでも言うのかしら。
そんなわけないじゃない。妹にですら最悪な態度を取る心の枯れた私が、そんなことできるわけないわ。
変な夢を見るな、よね。ほんとほんと。
へその緒が切れた瞬間からまともに人の心を分かろうとしなかった私よ？ありえないことNo. 1ね。

じゃあ、なにかしら。

同情したとか…？
いや、同じくらいありえないわね。どこに同情するところがあったのか。

…そうよ、付け入られたのよ。

ディクリアをみて心が不安定だった時に、心の隙間に入ってきたのがあいつらなのよ。じゃなきゃこんなのありえない。可笑しいもの、可笑しいもの。

貴「…血が出てるでしょ。こっち。」

ありえないもの。

屋敷に勝手に入ってきて勝手に怪我をしたのに、応急セットが置かれている場所を教えるなんてね。

kn「お、おい、ついてくか？」

ht「えぇ…！？」

小声でこそこそと会議を始めるあいつら。
どうやら、警戒すると言うことを学んだらしい。よかったわね、そのクソしか詰まってない頭に、ようやくミソが入ったんじゃないの？

sn「…俺、ついてく。案内してくれる？」

gr「…」

…結局ついてくんの。やっぱ、なんも詰まってないんじゃないの、なんて言おうとも思ったけど。
まぁ誘ったのは私なわけだし、今の判断は正しかったからなにも言えまい。ついてこなかったら、その人は失血死してただろうし。

スイスイと空中を進む私の後を、ぴったりとくっついて付いてくる彼。正常な判断ができる奴もいるのか、と言う思いを抱きながら一度ちらりと横目で見た。

辿り着いたのは、同じ階にある父上と母上の寝室。ここになら絶対に応急セットがある。

扉をすり抜けると、彼は失礼します、と一言断ってから扉を開けた。目の前に未知の物体(私)がいると言うのに、冷静な奴。

ベッドの恥にあるランプの下の引き出しを指差して、ここ、という意思を伝える。生憎ながら私は触らないから、直接出して手渡すこともできない。

その人はしゃがんでから古びた引き出しを力を込めて出し、中に応急セットがはいっていることを確認してからそれを大事そうに胸に抱えた。

sn「ありがとう…！本当にありがとう…！！

君は、あの恐ろしい幽霊とは違うんだね…！」

は？

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