私幽霊らしいです【wrwrd!】 (ページ25)

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２２話ページ25

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私の部屋の目の前にきたら急停止。屋敷をこんなに素早く駆け回ることができるようになったのは、幽霊の利点ってやつ？

部屋のその壁に、頭を思いっきり突っ込んだ。幽霊だからすり抜けられる。行動ひとつひとつに音が出なくて良くなったのも、幽霊の利点？そんなことないわ。無音すぎて頭がおかしくなりそう。

その壁の奥を覗くのに迷いがなかったといえば、嘘になる。でもそれがわからないほど、迷いない行動に周りからは見えただろう。

ディ「____いやぁ…！もう…やだぁ…！！」

中では、ディクリアが泣いていた。

あの日、最後に寝たベッドの上で、頭を抱えている。その髪の毛は、ボサボサに乱れていた。

ディ「ごめんなさい…！お姉様ごめんなさい！！こんなことしたいわけじゃないの！人を殺したいわけじゃないの！！」

その悲痛な声ひとつひとつが、ナイフのように鋭くなって今はもうない私の心臓にぐさりとささる。

じゃあ、もう人を殺すのはやめましょう？

ディ「でも、いざ目の前にすると自分の意思と関係なく体が動いちゃうの…！もう、もう嫌だよぉ…！！！」

そう声をかけることができれば、どんなによかっただろう。彼女の気持ちも知らずにそんなこと言える度胸なんて、私にはない。

ディ「もうだれも来ないで…！私が殺しちゃう！罪もない人を、殺めてしまう！！もう、この屋敷に来ないで………。」

取り乱す彼女には、私の姿は見えていないのだろう。どれが本当のあなたかわからないなんて言ったら、貴方はまた泣いてしまうかしら。

目の奥がじんわりとなる気がするのに、涙なんて出てこない。

その時だ。

また、玄関ロビーの扉が開いた。

誰か、来たの？

誰も来ないで。貴方たちの家じゃないのよここは。帰りなさい。帰って、帰って！帰ってよ！！

気がつけば、私は新しくこの屋敷に来た人たちの前に立っていた。

いつもなら、じっくり姿を見せて怖がらせて逃した。

今回それをしなかったのは、気が動転してたからだ。じゃなきゃ、こんな失態しないもの。

？「うぉ！！！？！！？！」

？「出るとしても早すぎひん！？！！？！！？」

だから、だからさ。

貴「早くこの屋敷から立ち去りなさい！！！
出てって！出てってよ！！！」

こんなに声を張り上げたのは、いつぶりかしら？

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