私幽霊らしいです【wrwrd!】 (ページ19)

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１７話ページ19

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何年も経った。何人も死んだ。

勿論、死ななかった者も居る。あの日のことを学習し、いきなり声をかけて驚かさないようにしながらさっさと帰るように仕向けて帰らせた。

ディクリアが殺そうとしたときは、それこそ全力で止めた。ディクリアは生前からお勉強ばかりだった私とは違って運動をよくしていた為、ディクリアの方が運動神経がいい。
少し目を離した隙にやられてしまうから、息をつく暇もない。

そして、夜空を見上げながら度々思う。何故、私がこんなに苦労をしなくてはならないの？

大体、なんでどんどん屋敷に来る輩が増えてるのよ。おかしいでしょ。
大方街の方で噂になっているのだろうけれど。

私が姿を見せて帰らせるのがいけないのかしら？たしかに、それだと噂になってこの屋敷にくる人が増えるわね。

そんなに命を落としたいのかしら。人生は一度きりよ。死にたくないのなら、さっさとお家へ帰りなさい。…なんて、幽霊のわたくしがいっても響かないかしら。

なら、数人見殺しにする？そうすれば警官が立ち入り禁止区域としたら扱ってくれるようになるかしら。

そこまで考えて、ふと自分の体が震えていることに気づく。
脳では恐怖を感じなかったが、トラウマというものが体に植え付けられているというのかしら。

あの音がフラッシュバックする。何かが潰れるような静かな音と、やけに響く硬いものと硬いものがぶつかり合う音。そして、地面に作ったシミ。

あのシミは雨が降ったのかと思った。まさか涙だとは、到底思わなかった。

どうして、泣いたのかしら。もうそれすらもわからなかった。

…見殺しにするのはやめましょう。守れるだけ、守りなさい。モミジ・クジェレーン。

ディクリア・クジェレーンを、これ以上苦しめないために。

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