Forty six ページ10
.
？side
しくった。
「おいおい、お前ら。」
「…おぉ？結構いい身なりだなぁ。金の匂いがぷんぷんするぜ…。」
「顔が良ければオークションに出そうぜ！」
しっかりとルートを把握しておくべきだった。そうしたら、そうしたらこんな間に合わなかった。
壁際に追い詰められ、慌てまくる脳内で静かにそう考えた。
隣にいるグルッペンも、いつもあんなに頼もしいのに少し手が震えている。フードは目深にかぶっているが、顔がバレるのも時間の問題である。
もともと、貴族に不満があったわけではない。
ただ、疲れたのだ。やれ食事マナーだ、やれダンスレッスンだ、やれ勉学だ。
一度だけ、それら全てから解放された生活をしてみたかっただけ。
湧き水をすくってのんでみたり、汚れなんて気にせず、泥だらけになるまで走り回ってみたり。
だからグルッペンと一緒に屋敷を抜け出した。グルッペンとは家族がらみの幼なじみで、昔から深い関係があって。
だから、遊ぶとかの理由をこじつけて二人で会うのは容易だった。その頻度が増えても、さほど気にされなかった。
そして今日、父上も母上も仕事があり一番の絶好日。下準備もバッチリだったはずなのに、あっさりバレてしまった。
なんとかなるだろう。だって年寄りの彼らより、動きにくい服装の彼らより、体力が何倍もあって動きやすい服装に着替えた俺らの方が有利だから。
そう考えて我武者羅に走った。アホか。アホか俺は。
この路地裏のことを知らなかった。治安が良くないところもあるとは聞いていたが、外を知らない俺たちにとっては考えもつかない話だったのだ。
治安が悪いと言っても、窃盗や暴力事件が起きているだけだろう。その程度だと思っていた。
ある程度の護身術は習っていたから余裕だと。今考えればアホらしい。
助けを求めようにも、随分と奥まで来てしまった。声を上げても気づかれない。逃げても体力の限界が近い俺らには勝ち目がない。
なにより、こいつらには敵わないと思う。
あぁ、終わった。詰みやわこれ。
ごめんな、グルさん。全部全部、俺が悪かったわ。
フードに伸ばされる手を拒むことなく、もう遅い謝罪を心の中でグルさんに告げる。
その瞬間、不思議とその男が視界から消えた。
zm「へいへいへいへーーーーい！！！」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 738人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あめさん(プロフ) - ルーナさん» タイミング悪くてすみません…！！こちらこそありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです！ありがとうございます！ありがとうございます！大丈夫です！おやすみなさい！頑張ります！！ (2020年11月3日 19時) (
レス) id: 8fcf54a0b3 (このIDを非表示/違反報告)
ルーナ(プロフ) - えまって知らない！！！テスト期間中に完結とか聞いてない！！！ありがとうございます！！！好きでした！！！(？)完結おめでとうございます！！！応援してます！！！うるさくてごめんなさい！！！土下寝します！！！新作頑張ってください！！！() (2020年11月3日 0時) (レス) id: f3c1e985f9 (このIDを非表示/違反報告)
あめさん(プロフ) - ロンさん» ありがとうございます！お付き合いいただきありがとうございました！！ (2020年11月2日 19時) (レス) id: 8fcf54a0b3 (このIDを非表示/違反報告)
あめさん(プロフ) - ちびごん1さん» ありがとうございます！そう言ってもらえるとやる気が出ます！！ (2020年11月2日 19時) (レス) id: 8fcf54a0b3 (このIDを非表示/違反報告)
あめさん(プロフ) - 月夜猫さん» プレッシャー (2020年11月2日 19時) (レス) id: 8fcf54a0b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あめさん | 作成日時：2020年9月24日 21時
