C&C－夏編－ (ページ5)

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「でもさぁ、マンガとかドラマの世界だと思ってた」

「なにが？」

なにが、って…なんてニノは本気で俺に呆れ返った様子で言った。

「だから、お前ら2人、智くんと翔ちゃん、だよ」

「…は、はぁ…」

残念ながら、俺はまだニノの本意が掴めていない。

もう少し話の続きを…と思ってニノのことを見ると、俺の言いたいことが伝わったのか、話し出した。

「だって幼なじみに恋するなんて王道じゃん。
その上、その恋が初恋？ベタ中のベタ過ぎてマンガだったら序盤で読む気失せるね」

うへぇ、ニノ節炸裂…

俺は、ニノのそのセリフになんて返すのが正解かわからなかったから、手持ち無沙汰でとりあえず時間が経ってしなしなになっちゃったポテトを食べた。

「…で？」

黙々とポテトを食べ続けて数分。

なにも言わない俺にしびれを切らしたのか、ニノが口を開いた。

「…で？とは…」

「…どーすんの？このままでいーの？」

「このままでいい…？」

「…はぁ…櫻井ってこんなに話がわかんないやつだったっけ」

「…ごめん」

だって、脳が働かなくてまだ頭が追いついてないの、俺が智くんのことが好きって事実に。

この後どうすればいいか、なんて今の俺には想像をつかないし、自分1人じゃなにも考えられない。

俺は縋るようにニノのことを見つめた。