2話 ページ3
雰囲気のいい喫茶店に入るなり後悔した。
お店の中にはカウンターに並んで座る3人の男性とメガネの少年。男性店員が2人の計6人。
その6人とも特級並みの呪霊が憑いているのだ。
しかも、その6体の呪霊も仲良く手を繋いでいる。可愛かよ...じゃあ無くて。なんて、頭の中で1人漫才をしていると“どうかされましたか？”と目の前に褐色のイケメン店員がいた。
『すみません。雰囲気のいいお店だなぁって。』
｢ありがとうございます。こちらにどうぞ。｣
店員さんに案内されるままテーブルに着くとメニュー表を渡される。
｢ご注文決まりましたらお呼びください。｣
『あっハムサンドとアイスコーヒーください。』
｢かしこまりました。｣
去って行く店員さんを横目に改めて店内を見渡してみると長髪の男性と目が合い、男性はニコッと笑いながら私に小さく手を振る。
それを無視していると“お姉さん”と幼い声が耳に入って、声のした方を見るとメガネの少年が鋭い目をしながら私を見上げていた。
何故、ここまで警戒しているか分からないけど...
『なんだい？少年。』
｢お姉さんの服装。真っ黒だけど暑くないの？今日は特に暑いなのに。｣
何かを探るように聞いてくる少年は“何で？”と再度私に聞いてきた。
『猛暑日に私が何を着ようか、少年には関係無いでしょう。あと、私は疲れてるの。あっち行って。』
シッシッ。っと手を動かしていると、何かを言いたそうにしながらも私から離れる少年。
小さなため息を吐きながら、スマホを開くと“ため息吐くと幸せ逃げるよ”っと声が聞こえ顔を上げると長髪の男性がニコッと笑いながら私の前に座る。
何故？
もう1回言おう。
何故？
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作者名：チロル | 作成日時：2023年12月19日 13時
