#69 おばけ ページ23
･
「あ、あの！」
告白大会が終わり、
あとは火が消えるのを待つだけ。
私はこの6人と過ごしていいのか？
と思っていたのもつかの間。
1人の女子生徒がやってきた。
「神宮寺くん！私と火が消えるまで
一緒に過ごしていただけませんかっ？」
勇太「……わりぃ、俺はAと過ごしたいんだ」
『ちょっと勇太くん……』
「ずっと好きでした！」
女子生徒は勢いよく頭を下げて
走り去っていった。
その子がいなくなったと思ったら
今度は違う子が。
その子がいなくなったらまた違う子が。
キンプリのそれぞれを誘いに来る。
やっぱりキンプリはキンプリだなぁ。
私は隙を狙ってその場から立ち去った。
私なんかがあそこにいること自体が
おかしい話。
どうして6人とも私を好きになってくれたのか。
自分でもさっぱりわからなかった。
もちろん嬉しいけど、
私は恐怖を感じてしまう。
もうすぐ地球が破滅するのではないかと。
火が消えるまでキンプリと過ごすのは、
私なんかじゃない。
たとえ6人が私と過ごすことを
望んでいてくれていたとしても。
私は誰ともいられない。
6つの選択肢があったとして、
その分岐点に立たされたとき、
私は多分もう1つ選択肢を作るだろう。
誰でもないという選択肢を。
『はぁ〜……』
気づいたら、無意識に自分の教室に来ていた。
ちょっと暗くて気味が悪いけど、
1人になれるからいいや。
窓からグラウンドが見える。
まだ火消えてないのか。
どうしよっかなぁ。
海人くんか、永瀬くんか。
そういえば永瀬くんだけ呼び方変わってないや。
本人が希望しなかったからだけど。
1人寂しく、恋愛について考えていると、
遠くの方から足音が聞こえてきた。
え、おばけ!?
心臓はﾊﾞｸﾊﾞｸ、足はｶﾞｸｶﾞｸ。
怖さに耐えられなくなった私は、
教室のカーテンの中に入り込んだ。
近づいてくる足音。
でも教室の前らへんに来たと思われるとき、
いきなりﾋﾟﾀｯと音が鳴り止んだ。
え、どうしよう……本当におばけ？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 848人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かいとん - おめでとうございます！他の作品も楽しみです。 (2020年2月16日 4時) (
レス) id: fb912074b2 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー☆(プロフ) - みーさんさん» ありがとうございます！！ (2018年10月1日 21時) (レス) id: 3719d2f160 (このIDを非表示/違反報告)
みーさん(プロフ) - 完結おめでとうございます(*^o^*) (2018年10月1日 1時) (レス) id: 2f3f1aaf25 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー☆(プロフ) - 亜美さん» りょーかいです！遅くなるかもですけど... (2018年9月22日 17時) (レス) id: 3719d2f160 (このIDを非表示/違反報告)
亜美 - 夜分遅くにすみません。中々読む事が出来ず、やっと読めました。リクエストの事なんですけど、書いて頂けるのなら番外編でいいですよ。 (2018年9月22日 3時) (レス) id: 805d57abf6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：チェリー☆ | 作成日時：2018年8月11日 0時
