ピ ュ ア 岡 く ん に 意 地 悪 し た い

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Daiki









伊野尾先輩と2人で歩く帰り道。









最近はたまに伊野尾先輩が｢一緒に帰ろう｣と誘ってくれる。









そして、家まで送ってくれる。









かっこよくて勉強もできて、まさに漫画に出てくる様な王子様だ。









何だか隣を歩くのが申し訳なくなる。









有｢あ、あの。伊野尾先輩！｣









伊｢ん〜？｣









自分が赤点の常連っていうのを伊野尾先輩に知られるのは、少し…いや、かなり恥ずかしい。









でもそんなことは言ってられない。









だって伊野尾先輩と付き合って初めての夏休み！









そして伊野尾先輩にとっては高校生活最後の夏休みだもん！









有｢来週…テストですね｣









伊｢あー、そうだったね。忘れてた｣









わ、忘れてた！？









余裕だ。









有｢伊野尾先輩は勉強とかしないんですか？｣









伊｢特には｣









すげー










今日は関心してばかりだ。









伊｢有岡君は？｣









有｢お、俺ですか？じ、実は…｣









伊｢？｣









有｢赤点常連なんです…しかもあだ名が赤点王子…｣









伊野尾先輩の方をチラッと見ると、じーっとこちらを見つめていた。









俺が少し苦い表情をすると、









｢ぷっ｣、と伊野尾先輩は吹き出した。









有｢ちょ！何で笑うんですか！｣









伊｢いやぁ、だって赤点王子って(笑)｣









有｢俺だってそんなあだ名嫌ですよ｣









伊｢そっかそっかぁ(笑)じゃあ、俺と一緒に勉強する？｣









有｢えっ！？いいんですか？｣









自分で言い出す前に伊野尾先輩から誘ってくれるとは思ってもみなかった。









伊｢うん、補習なんて嫌でしょ？｣









有｢も、もちろんです！｣









伊｢もし赤点逃れたら、一緒に花火大会行こ。もし赤点とったら夏休み一緒に遊ぶのはなし。俺、結構スパルタだよ？｣









有｢が、頑張ります！｣

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