ピ ュ ア 岡 く ん に 意 地 悪 し た い

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Kei









春はあっという間に過ぎ、梅雨の時期になった。









ブレザーからYシャツに変わり夏がもうすぐ来るというのがよく感じられるようになった。









伊｢あ、雨だ…｣









外にはポツポツと小雨が降っている。









天気予報は曇りだったのに。









(でもこのぐらいなら大丈夫か)









そう思い昇降口を出ようとした時。









大粒の雨が降り出した。









(ほんと勘弁して下さいよ…)









どうしようか迷った挙句、止むのを待つことにした。









空を見上げてみるが、止みそうな気配はない。









伊｢はぁ…｣









思わずため息をつく。









そうして何分かたった頃。









有｢伊野尾先輩？｣









と、よく知る声が聞こえてきた。









伊｢有岡君｣









有｢もしかして傘、ないんですか？｣









伊｢うん、まぁ…｣









有｢じゃあ一緒に入ります？｣









そう言って手に持っていた傘を前に出して見せた。









伊｢いや、大丈夫だよ。俺が入ったら有岡君濡れちゃうでしょ｣









流石にそんな図々しいことはできない。









有｢そんなの大丈夫ですよ！気にしないですし。それに、入らないならどうするんですか？伊野尾先輩｣









伊｢止むのを待とうと…｣









有｢そんなのいつになるか分からないじゃないですか！だから入ってください！！それに俺…伊野尾先輩と帰りたい…から｣









最後の方は声が小さくてあまり聞こえなかったが、有岡君の言う通りでもあるので結局入れてもらうことにした。

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