交わることのない点P ページ6
規則正しく野菜を切る音で目が覚めた
玄関で倒れたはずの私は見覚えのないふかふかのベッドに寝かされていて、すぐ隣のテーブルには飲みかけのコップと薬が置かれている
歩くのに問題がない位には回復していたので、ここに連れてきたのは誰なのか突き止めるべく、音のする方へと足を動かした
そこにはキッチンで手際良く料理をする警官が一人
薄々予想はついていたがこいつだったとは
この光景に身に覚えのない懐かしさを感じながら、それと同時に何処か心がリラックスしていた
「目、さめたんですね。良かった」
声をかけられハッと我に返ると、目の前には目を細めながら微笑む山崎さんが
雑炊作ったんで食べましょう、と言われるがまま素直に席に着いた。
朝から何も食べていないので、腹が減ってどうしようも無かったのだ
「倒れた貴女見てびっくりしたんですからね、あんな暑い部屋で冷房もいれないで...」
「私ん家エアコン無いから」
熱々の雑炊を頬張りながらそう返すと、山崎さんはあんぐり口を開けたままこちらを見つめている。しょうがないだろ貧乏学生なんだから
「あんな熱いとこ住んでたら、親に心配されますよ」
「私親居ないから...そんな顔すんなって、別に気にしてないよ」
地雷を踏んでしまった、といったような表情をしながら食べ進めている山崎さんを見ているとちょっと面白くなってきた。
私の方が年下のはずなのに、この人はまるで後輩のように敬語を使い、私が年上かのような気分になる
何故かは分からないが、外で会っている時よりも話しが弾んだ
気がつくと日が暮れてきていた
「そろそろ帰るわ、ここの最寄り駅何処?」
「Aさんの大学の最寄り駅と同じです」
「いいなぁ、私大学まで往復4時間かかるんだよな」
「俺のとこからなら、自転車で10分くらいですかね、部屋余ってるんで一緒に住みます?...はは、なーんて」
すみません変なこと言って、と言いながら食べた食器を洗い始めた山崎さんの背を見ながら私は色々と考えていた
大学に近いし、エアコンもあるし、この人の飯美味いし良いんじゃね?
悪い大人について行くなって言うけどこの人警官だし
「じゃあ明日こっちに引っ越すわ」
「え、本気で言ってます?」
こうして私と山崎さんのシェアハウスは呆気なく幕を開けたのであった
バイトまでの空き時間が1番地獄 山崎side→←偏頭痛持ちじゃなかったのに偏頭痛になっちゃった
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二宮瑠夏(プロフ) - 面白いです!すっごい気になるので更新頑張ってください! (2022年4月7日 12時) (レス) @page41 id: 36dca4defb (このIDを非表示/違反報告)
甘みかん味(プロフ) - シディアさん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けて幸いです!!是非推してあげてくださいーー! (2021年12月7日 17時) (レス) id: e647edf408 (このIDを非表示/違反報告)
シディア - 僕山崎と土方推しだけど夢主ちゃん推しに変わろうかな。山崎と夢主ちゃん尊すぎる。ダメだ。これは夢主ちゃん推すしかない。 (2021年12月3日 21時) (レス) @page40 id: 939d5c7779 (このIDを非表示/違反報告)
甘みかん味(プロフ) - りんこさん» 人間いつ死ぬかわからないですからね!!笑亀更新ですが頑張ります!! (2021年4月3日 17時) (レス) id: e647edf408 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - いつも拝見させていただいています。ええっ!主人公死んだよ!もしかしてもう終わり…っと思ったら現世に飛んでホッと一安心してました。何だかんだで子供な夢主とそれに優しく応える山崎が好きです。これからも楽しみにしてます! (2021年4月3日 17時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘みかん味 | 作成日時:2021年4月3日 14時