冬になると足が冷える ページ41
退院した翌日
季節外れの雑煮を食べながら、私はニュース番組を眺めていた。
山崎は徹夜続きだったようで、今朝ようやく帰ってきたと思えば、シャワーだけ浴びて、食事も摂らずにブツブツと何かを呟きながら自室に向かってしまった。
まだ仕事が残っているのだろうか、今も変わらず監察の仕事は激務なようだ。
友達から新聞に載っていただの、怪我は大丈夫かだのというsnsのメッセージを一通り返信し終え、スーパーに買い出しに行こうかと思い腰を上げた。
しかし、まだ退院したてほやほやなので、恐らく無断で外出するのは山崎が心配するだろうと思い、ひと声かけてから行こうと自室を覗いてみることにした。
扉を開けると、カーテンが閉め切られ、明かりが殆ど灯っていない暗い部屋の奥にパソコンの画面が少し不気味にこちらを照らしていた。
オフィスチェアには山崎の姿が無く、かといってベッドの上にも居ない。
この先に踏み入れるのもなんだか悪いなと思いながら時間が経ち、暗い空間に目がだんだんと慣れてくると、床に転がる山崎が目に入った。
驚きと恐怖のあまり、叫びそうになったが、喉奥にそれを押し戻して飲み込んだ。
屈んで山崎に近づくと、規則正しい寝息が聞こえてきた。
眠気で気絶したのだろうか、どうせ気絶するなら頼むからベッドでして欲しい。心臓に悪い
起こすのは少しだけ可哀想な気がしたが、このまま風邪をひかれても困るので、肩を揺さぶると、すんなり起きてくれた。
「俺床で寝てましたね...すみません」
そう言いながら、フラついた足取りでデスクに向かう山崎の手を、気がついた時には握っていた。
現代には過労死という言葉があるくらいだ。今のこいつを見ていると、そうなりかねんと感じてしまったのだ。
「書類の期限、時間あるなら寝てからにしろよ。身体壊すぞ、あと何か食べろ」
「...そうですね、少し仮眠します」
書類のデータを保存しながら目頭辺りを揉む山崎は、きっと誰が見ても社畜と答えるだろう。
疲労が溜まっている様子が伺える。
「ホットアイマスク使うか?」
「...Aさん」
ゆっくりとした動作でベッドに押し倒されたかと思うと、その上から山崎が覆いかぶさってきて名前を呼んだ。
突然の出来事で脳内処理が追いついていない私は、身体がフリーズして動こうにも動けなかった。
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二宮瑠夏(プロフ) - 面白いです!すっごい気になるので更新頑張ってください! (2022年4月7日 12時) (レス) @page41 id: 36dca4defb (このIDを非表示/違反報告)
甘みかん味(プロフ) - シディアさん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けて幸いです!!是非推してあげてくださいーー! (2021年12月7日 17時) (レス) id: e647edf408 (このIDを非表示/違反報告)
シディア - 僕山崎と土方推しだけど夢主ちゃん推しに変わろうかな。山崎と夢主ちゃん尊すぎる。ダメだ。これは夢主ちゃん推すしかない。 (2021年12月3日 21時) (レス) @page40 id: 939d5c7779 (このIDを非表示/違反報告)
甘みかん味(プロフ) - りんこさん» 人間いつ死ぬかわからないですからね!!笑亀更新ですが頑張ります!! (2021年4月3日 17時) (レス) id: e647edf408 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - いつも拝見させていただいています。ええっ!主人公死んだよ!もしかしてもう終わり…っと思ったら現世に飛んでホッと一安心してました。何だかんだで子供な夢主とそれに優しく応える山崎が好きです。これからも楽しみにしてます! (2021年4月3日 17時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘みかん味 | 作成日時:2021年4月3日 14時