キラキラ光る世界の中 ページ15
やってしまった
山崎さんの目の前で、容器の中にとは言えどゲロをぶちまけてしまった、女らしさの欠片もないな。
汚いものを見せてしまったので、屋上で星空を眺めながらプチ反省会を脳内で開いていると、錆び付いたドアが甲高い音を鳴らしながら開く。
立ち入り禁止って書いてたけど、柵越えて入ってきちゃったし怒られるだろうなと思いながら振り返ると、
そこには想像していた看護師や見回りの人の姿はなく、点滴スタンドを杖代わりに腹を押さえながらこちらに向かって歩く山崎さんがいた
「いや何してんの、寝てなって傷口開きますよ」
「なかなか戻ってこないから探しに来たんですよ」
そう言い歩みを止め、傍のベンチに腰掛けると山崎さんは月が綺麗ですね、とボヤいていた
月明かりに照らされて辺りは明るかったが、顔までははっきり見えなくて山崎さんがどんな表情でそう言ったのかは分からない
数秒の間、お互いを無言で見つめ合っていたが山崎さんに手招きをされ、私は人一人分のスペースを空けてベンチに座った
「単刀直入に聞きますけど、Aさん過去に何か大きな怪我でもしましたか?」
「え、なんで」
そう言いながら目線だけを動かして其方を見ると、山崎さんは何かを探るかのように、私の仕草や呼吸遣いを丁寧に一つ一つ観察しているのが見て取れた。
流石はスパイしてるだけあるな。映画でしか見たこと無かったけど、こうやって小さな手がかりから答えを引き出していくのだろう
「なんでそんなこと聞くんだよ」
「さっき俺の傷見て過剰な反応していたでしょう。だから気になって」
「飯食いすぎて気持ち悪かっただけだ」
そうですか。と言う山崎さんのこの薄っぺらい笑顔を見ていると、何を考えているのか分からなくなって、時たまに怖くなる時がある。それが今だ
初めて会話した時もそうだった。心を見透かされているかのようなこの感覚
心の中に手を入れて、探られているかのようなこの感じ、これが気持ち悪くて仕方がない
「...北海道は夏でも冷えるんで、中戻りましょう」
さっきまでの山崎さんは私が瞬きをしている合間に居なくなっていて、普段のこの人に戻っていた。
ますますこの不思議な人に興味が湧いてきたが、そう言うと本人は喜びそうなので、それは悔しいので言わずに心の中で留めておく
大学の一大イベントと言えばこれしか無いだろう→←ジン、ジン、ジンギスカン 山崎side
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二宮瑠夏(プロフ) - 面白いです!すっごい気になるので更新頑張ってください! (2022年4月7日 12時) (レス) @page41 id: 36dca4defb (このIDを非表示/違反報告)
甘みかん味(プロフ) - シディアさん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けて幸いです!!是非推してあげてくださいーー! (2021年12月7日 17時) (レス) id: e647edf408 (このIDを非表示/違反報告)
シディア - 僕山崎と土方推しだけど夢主ちゃん推しに変わろうかな。山崎と夢主ちゃん尊すぎる。ダメだ。これは夢主ちゃん推すしかない。 (2021年12月3日 21時) (レス) @page40 id: 939d5c7779 (このIDを非表示/違反報告)
甘みかん味(プロフ) - りんこさん» 人間いつ死ぬかわからないですからね!!笑亀更新ですが頑張ります!! (2021年4月3日 17時) (レス) id: e647edf408 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - いつも拝見させていただいています。ええっ!主人公死んだよ!もしかしてもう終わり…っと思ったら現世に飛んでホッと一安心してました。何だかんだで子供な夢主とそれに優しく応える山崎が好きです。これからも楽しみにしてます! (2021年4月3日 17時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘みかん味 | 作成日時:2021年4月3日 14時