エンカウント

▽２日前の決意 ページ21

うみくんがアイドルだと発覚してから３日が経過した


つまりは、うみくんの連絡も無視し続けて３日


あの日は和沙が帰った後
夜１０時くらいにうみくんから着信があった


だけど、アイドルだと分かってしまった今、どう接して良いかなんて分からない


その場凌ぎでしかないけれど、適当な嘘をついて通話を断った


それからは少し怖くて、通知もオフにして未読を続けている









日課だった通話もない


うみくんとよくやっていたゲームは最終ログイン時刻が出てしまうから
忙しいと通話を断った手前ゲームも出来ないし


和沙はまだレポートに追われているから遊べないし


私の生活ってこんな空っぽになるんだ、って









気が付けば無心でネットを漁ったりテレビを見る時間が増えていた


今まで知らなかったのが不思議なくらい、色んな所でうみくんを、いや、中村海人くんを見る様になった


ネットニュースだったり、ツイッターのトレンドだったり、ドラマだったり


まぁ、私が名前を知ってからそればっかり気にしているのかもしれないけど







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今だって


ゲームの攻略本を買うついでに寄った雑誌コーナーの一角


ある雑誌の表紙にはメンバーと写るうみくんの姿



「あ！まだ雑誌置いてある！」



小走りで来た女子高生達に
思わず後退りしてしまった


漫画コーナーでも見に行こう


そう思ったのに、さっきの子達がうみくんの雑誌に手をかけるから


一旦止まって、それとなく近くにあった別の雑誌を手に取る


悪いと思いながらも彼女達の会話に耳を傾けた









しめちゃんが可愛い〜とか
まちゅくのイケ化が著しいとか


うみんちゅがかっこいいだとか


嬉しそうに話す彼女達の顔はキラキラしていて

本当に楽しそうで









きっと、うみくんのしているお仕事は
人を笑顔にする、キラキラした夢を売るものなんだ


それなのに、私はそんな彼女達の笑顔を奪う様な行動をしていた


そんなの絶対ダメだよ

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