幸せ、探しました。【妖怪ウォッチ】

暖かいのね ページ9

ゆ「あたたかい……」

A「近くにおでんの屋台があって良かったね！大根美味しいー！」

ゆ「貴方さっきまでアイス食べてなかった？」

A「う、」



誰もいない公園でただ二人、見えるのは遠くに行くおでん屋の光。それ以外は電柱のライトと、点滅する赤緑の色、そして静寂。


そんな雰囲気の中、ぽつりぽつり、小さな声で彼女は話してくれた。

自分は冷気を操る妖怪であること。


だけど力が大きすぎてうまく操れないことも。そのせいで自分は冷え性に悩まされていることも。


ゆ「そんなとき、貴方たちを見つけたの……。」

A「そっか……。」

妖怪の世界でも、やっぱりそうか。

最初から、恵まれた命なんてない。壊滅的な問題を抱えていたとしても、答えはない。それでも生きていくのに。

ゆ「でも、貴方不思議ね。」

A「？」

ゆ「Aの近くにずっといると、なぜだか寒く無いわ。ほら、私が話してた間、一回もくしゃみしなかったでしょ？」

A「あ、確かに……。」

それに、落ち着くわ。

そういって笑ってくれた。

ありがとう、と言うと彼女はもっと笑った。

ゆ「色々吐きだせてすっきりしたわ。そうだ、コレ」

A「妖怪メダルだ。いいの？」

ゆ「その代わり、…今度もっと話しましょう。もう遅いし、コマさんも心配するでしょ？」

A「え、コマさんのこと知ってるの？」

ゆ「今有名よ、Aとコマさんは」

A「え、そうなの？」

ゆ「ええ、……気をつけてね」

A「？何で？」

ゆ「えっ！？まあ、…ほら、今妖怪パッドもあるし、色々な口コミも広がるわ、だからたくさん妖怪が来るんじゃないかって、ね」



(本当は、出会う前から知ってたの)

(妖怪ウォッチをつけてなくても、妖怪が見える貴方とコマさんのこと。)

(暖かかった。ぽかぽかした)

(…ゆきおんなだけど、貴方の光だったら、体は溶けたりしないわ。)

(だから、気をつけて)

(妖怪ウォッチをつけなくても見える貴方の瞳には、見えるはず。)

(その光にすがりたい、救われたい)

(きっと貴方に救済を求めてくる、悲しい魂のカタマリが)


これだけは言わせてくれ、

作者はおでんは大根派だ。

〜ねたばれりーな〜

次 きゅ○び(理科の先生絡みだから原作やってないと分かりにくいネタです、また若干ホラー。注意して下さい)

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