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日が落ちた、その記憶 ページ28

赤くて暗い、空の下を歩いて探す。

私は女の子に引っ張られるように坂を上がった。

カーブにさしかかると、一瞬足に違和感を感じた。生ぬるい、そんな風が足の間を通ったような、

「後ろにママはいないの。立ち止まらないで。モタモタしちゃダメ」

A「ご、ごめんなさい…」

後ろを振り向こうとしたけど、前を向く。この子本当にまいご?

「おねーちゃん」

A「ひゃい」

あ、噛んだ。イタタ。

「あのね、おねーちゃんは、覚えてたこと、思い出って、すぐ忘れちゃう?」

A「い、いきなりだね…。そうだなぁ、一昨日のお夕飯とか、すぐに思いだせないかも」

「そう。忘れたわけじゃない。すぐ思いだせないだけ。じゃあ、いなくなった人は、いやな思い出だったら?」

A「…覚えてるよ」

「なんで」

A「…一生消せない記憶はね、消そう、消そうと思っても、体に染み付くの。そして、…ふっと思い出すの」

「…体に染みつく」

A「そう。…私は消せなかった」

「よく分かんない!」

A「んぎゃ」

手をブルブンふられる。イタタタ!

「あたしね、初めて生まれたの、ここだったわ」

「ここ?ここ道路だよ?」

いつの間にか家の近くの十字路に来ていた。女の子が指を指すわきにぽつんと立つ。

「キレイなお洋服、初めて着れた」

A「え…?」

「でも、そこにもうママはいなかったから、見てくれなかったけど」

「ここよ、ここにいるわ、なんていっても、気づいてくれなかった」

「さみしかった」

A「…つらかったね」

察してしまった。この子、この子は…

「もういいのよ。ママ、思い出したみたいだから、ようやくかえれる!」

A「…じゃあ、バイバイしなきゃ、ね」

「うん、…ありがとう!こういう時ってこう言うの!知ってるのよ、えらいでしょ!」

A「…うん、大正解!」

ニコッと笑う、笑えていたかどうかわからないけど。

*今度こそきっと*

「気づいてくれたから」

『見つけることができたから』

「バイバイ!わすれんぼのおねーちゃん!」

『ありがとうございます。…やっと、会うことができました。ありがとう、ありがとう、ありがとう…』

びゅうと風が舞うと、あの子はどこにもいなかった。一瞬、二体のお地蔵さまが見えたような気がしたけれど。

目をつぶって、開ける。

満点の星空の何処かに、あの親子はいるかなって思って歩き出す。目指すは我が家。

ありがとう。

A「私も今、思い出したから」

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設定タグ:妖怪ウォッチ , アニメ , ほのぼの(多分)   
作品ジャンル:アニメ
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かまぼこうどん(プロフ) - ぽよよ☆さん» ヤンデレふぶき姫かわいい(手遅れ)作者がマック好きなのでたくさん絡ませたいですね(笑)これからもよろしくお願いします...! (2017年1月15日 12時) (レス) id: be0763fab5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽよよ☆(プロフ) - ふぶき姫ちゃんがヤンデレに…!?マッくんとの関係はどうなるのか!そして烏天狗さん神隠しはシャレにならんて!!続き楽しみです…! (2017年1月9日 18時) (レス) id: 1c070c9504 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこうどん - はい!(*゚∀゚*)頑張ります!ありがとうございます〜!! (2016年12月25日 9時) (レス) id: 9b6b569fc3 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄マスカット - 夢主ちゃんの飛行機デビュー…!!楽しみです!頑張ってください! (2016年12月25日 0時) (レス) id: 61468344c7 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこうどん - 大丈夫っす!気にしないでー(*`∀´*)ノシ (2016年10月5日 21時) (レス) id: 082809ecf5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かまぼこうどん | 作成日時:2016年2月3日 22時

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