幸せ、探しました。【妖怪ウォッチ】

心の恐有 ページ15

A「...！！」

体が動かない。何かが私をまたいで真上に立っている。

お願い。離れて。

「？.......*&:ts、kt」

何か変な事をぶつぶつ言っている、けど、よくわからない。

精一杯耳をこらして聞いてみる。上を見たくないから、せめて耳で。

「...！」

声がしゃがれている。おばあちゃんみたい？

グイッ

前触れもなく口のなかに指を突っ込まれる。その反動で頭が上を向く。

A「ウッ！...！？」

あっ。めがあっちゃった。みてしまった。


体はボロボロの雑巾みたいな、枯れ葉みたいな、肌の色。

女の人なんだろう。髪も長いしかろうじて顔は「形」を残している。

だけど、目、口...、

空洞だ。ポッカリ。

ソコに在るべきモノがない。しかも、ミイラみたい。だから声がしゃがれてるのかな。

その人が私を真上から見下ろしている、

貴方は何がしたいの。私をどうするつもりなの。

そうするうちに指は口の奥にゆっくりと侵入してくる。苦しい。

彼女の目は空洞で何を考えているのか分からない。

「hし"いn、×.€づあい...$¢¢イッ！！」

何が言いたいのか分からないよ。だから分からないって。

そう思った、その時だった。



ドクン



胸のもっと奥。心臓が、熱い？

ドクドク、鼓動が激しく鳴っていく。

A「あッ、...あ。」

分かった。この人、何がしたいのか、本能なのか、脳でか。



彼女、

私の心臓を奪いたいんだ。体が欲しいんだ。





命を、とるきだ。





A「うう"！...いや"ぁ！！」

懸命に暴れた。怖くて涙がでてくる。まだアッチには行きたくない、まだ両親の、おばあちゃんの所には、行きたくない！

"わたしだって、いきたくなかった！"

ぽっかり空いた穴は、そういってるみたい。だけど、他人の命を取るのは、筋違いだ！

暴れる私を押さえ込むように、彼女はもっと奥に指をつっこんでくる。

いつかテレビで見た、獲物を捕らえたライオンの映像がフラッシュバックする。




ああ、苦しい、くらくらする。

もう、だめかも。




これがゲームのなか、だったら、きっと、ゲーム、おーばー。

視界が、いきなりまっかになった。



最後にみたもの。

やっぱりこっちを見つめるかのじょと、

おばあちゃん、おかあさん、お父さんの顔。そっちにいっちゃうかも。ごめんね、せっかくうんでくれたのに。育ててくれたのに。

コマさん、みんな、ごめんなさい。







お迎えが来たのかふわふわな感触が体を包んだ。

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