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「……あ?」








その言葉はボリュームこそ小さかったが、しっかりと耳に届いてしまったようだ。





自分でもどうしてこんな言葉が出てきたのか分からない。


他人のことなんてどうでもいいし、興味もない。


こんなたまたま出会っただけの先輩のことなら、なおさら。


なのにどうして。








「え、なに、こいつ誰?」








横からいきなり口を挟まれて、男は明らかに不機嫌そうに大ちゃんに問う。








「あ、や、えと……。た、たまたま隣に座ってた人!!」




「は?」








知らない人だと言われ、ついつい言ってしまう。



その俺の漏れた言葉を聞いた大ちゃんは、目線で「黙ってて!」と訴えているようだった。





大ちゃんなりに守ってくれてる……のか?








「と、とにかく出しに行けばいいんだよね?もう分かったからとっとと行って!」




「あ、急になんだよ……」




「まぁいいじゃん、課題出してくれるって言ってんだから」








急に大きなボリュームで喋った大ちゃんに面食らった様子の男と、それを宥める取り巻きの女の人。



課題だと思われるプリントを数枚大ちゃんに渡すと、男たちは去っていった。



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作者名:はらぺこ | 作成日時:2023年3月12日 22時

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