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少しの間話していると、突然後ろから「だーいちゃん」と声が聞こえた。
その声に俺も大ちゃんも振り向くと、数人の男女が立っていた。
大ちゃんの友人だろうか。
「お、皆どうしたの？？」
「いやぁ、お前ってもう課題出した？」
「えっと、これから出しに行くけど……」
「わりぃ！それなら俺らのも一緒に出しといてくんね？」
先程大ちゃんの名前を呼んだ男が代表してか、そんなお願いをしている。
顔の前で手を合わせて「お願いっ！」とやってはいるが、どうにも形だけにしか見えない。
「え、いや、でも、課題って自分で出しに行かなきゃ受理されないよね……？」
「それはお前の方で上手いこと言っといてくれ！」
断ろうとする大ちゃんに強引にお願いをする男。
「……もし受理されなくても、俺責任取れないよ？」
大ちゃんの顔は引きつっている。
「えぇ〜？そこは大丈夫だろぉ、お前講師と仲いいじゃん」
なかなか首を縦に振らない大ちゃんに苛立ちを感じ始めたのか、早く頷けと言わんばかりに貧乏ゆすりをしながら言うそいつに、俺は無性に腹が立った。
他人の俺がイライラしてるんだから大ちゃんのストレスは相当なんじゃないかと、顔を覗き込むと、諦めたような寂しそうな表情で、小さく「分かった」と呟いた。
それを見た俺は思わず
「いや、あんたら自分で出しにいけよ」
と、ぼそっと口にしてしまった。
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作者名：はらぺこ | 作成日時：2023年3月12日 22時
