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まぁ、それはもういいとして、そろそろ時間もなくなってきた。








「えっと、それじゃあそろそろ急がなきゃだから……。

有.岡くん、離してもらってもいいかな?」








未だにぎゅっと俺の腕を掴んできている手を見ながら、笑顔を忘れずに離せアピールをする。








「っあ、ごめんね!

それと、俺のことは大ちゃん、って呼んで!

皆そう呼んでくれてるから、他の呼び方に馴れなくってさ」




「あぁ、分かった。大ちゃんね。うん、おっけー」








もう呼ぶことはないであろうその名前を呼ぶと、大ちゃんは嬉しそうに笑った。



満足してくれたようなので、俺は軽く会釈をして別れ、講義室へ急いだ。





知り合いが出来てしまったような気もするけど、あの人は友達が多そうだし、数日も経てば俺のことなんて忘れてくれるだろう。







なんて、このときの俺は呑気に考えていた。


ふたくちめ→←*



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作者名:はらぺこ | 作成日時:2023年3月12日 22時

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