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よくちめ ページ21







「大ちゃんお待たせ。ごめん、待った?」








待ち合わせをしていた大学敷地内の屋外にあるベンチに向かうと先に座って待っていた彼を見つけ、声をかける。








「ううん、今来たとこだから!まだ集合時間にもなってないのに、山田は偉いなぁ〜」








ニコニコとそう笑う彼の隣に失礼して座る。








「偉いって……。大ちゃんの方が早かったけどね」




「俺は、前の時間講義なかったし。でも山田は講義あっただろ?」




「そうだけど……。でも出来るだけ待ち合わせより早く来るのは普通だよ」




「その言葉、ちゃんと実行できる奴はそういないよ。少なくとも、俺の周りには平気で遅れてきちゃうやつばっかだし」








“平気で遅れてきちゃうやつばっか”か。



それって皆、大ちゃんに甘えてるんじゃ……。





嫌な想像が頭をよぎって、俺はすぐに首を横に振りその想像を払った。








「なに?どした?」




「んあ、なんでもない」




「そ?」








今日は週に1回の一緒にご飯を食べる日だ。





伊野ちゃんに初めて会ったあの日、俺と大ちゃんが連絡先を交換していないことを知った伊野ちゃんにより半ば強制的に交換させられた。



そしてその夜さっそく向こうから

『明日のお昼、ご飯を一緒に食べないか』

という旨の連絡がよこされ、昼間の伊野ちゃんとのやり取りがあったこともあり俺がそれを快諾。



するとその日を境に段々とお誘いが多くなったのだ。





2ヶ月近く経った今では週に一度はお昼を一緒にすることが定着し、お互いに慣れた足取りでこの場所に来てご飯を食べるのだった。



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作者名:はらぺこ | 作成日時:2023年3月12日 22時

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