21、似た者同士 ページ22
銃兎 side
『寝たか?』
Aを抱えて暫く、山道を下っていると
Aは静かになった
耳を澄ませてみると、小さな寝息が聞こえる
Aは寝たようだ
ゲテモノを食って倒れるって
相当それが無理なんだな
『やっぱ、兄妹だからな…』
俺もゲテモノは本気で無理だ
そういうところは、似ているんだな…
だが、倒れるとは思わなかった
いや。前に、左馬刻もつれて理鶯の飯を食べに行った時は
なるべくAに食べさせないようにしていた
だからか。
今日は、しっかりと食べてしまったらしい
多く食ってしまったから、気分が悪くなったのだろう
今度またAが倒れる、なんてことがあったら大変だ
『これから気を付けねぇと…』
俺はそうつぶやいた時
道が開け、俺の車が見えてきた
歩き始めて約1時間、ようやく山を下り切ったみたいだ
俺は車を開け、後部座席にAを寝かせる
夢「んん」
Aは顔をしかめた
眉間にしわが寄っている
『寝てる、よな?』
少しうなったが
Aは起きる気配がない
俺は、Aの前髪をかき上げて
おでこに顔を近づけてそっと、口をつける
チュッ
小さなリップ音と共に顔を上げて
Aの顔を見る
『ッ!……』
すると、さっきまでのしかめっ面とは違って
今度は、安らかな寝顔だ
その表情は、まだ少しあどけない
だが、とても可愛いものだ
『反則だろ…』
おでこに口づけた後にそんな反応をされたら
期待しちまうじゃねぇか…
俺は、そっとAの唇を指でなぞる
少しぷっくとした、ピンク色の唇
このまま、そこに口づけを…
『っは、だめだ』
寝込みを襲うなんて、最低だろ
それ以前に、妹に手を出してはだめだ
俺は、Aのいい兄貴でいるって決めたから
そして、手を引っ込めて、車のドアを閉める
運転席に乗って、俺は車を出発させる
『手は出さない。せめて、一緒に過ごすのはいいだろ?』
ボソッとつぶやいて、俺は
Aの家ではなく
自分の家へ車を走らせたのだった
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新美悠華@文アル大好き💛 - おもしろいですこれからの投稿楽しみの極みですこれからも頑張って欲しいです (2023年3月23日 23時) (レス) @page26 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 舞さん» 本当にありがとうございます!! (2021年7月8日 18時) (レス) id: 8697181138 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - あまねさん» いえいえ!あまねさんが更新できる時で構いませんので頑張ってください^_^ (2021年7月5日 11時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 舞さん» 遅くなってごめんなさい。ありがとうございます!! (2021年7月5日 10時) (レス) id: 8697181138 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^o^ (2021年5月20日 7時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あまね | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/easye1/
作成日時:2020年11月19日 20時