【ヒプノシスマイク】山田家の元長男君

続き ページ24

夢主 side 続き

　『あいつ？』

小(兄)「あいつはあいつだ！園長先生を殴った奴！」

小(弟)「山田一郎。一僕たちの兄です…一応」

へぇ、３人兄弟。いや、４人兄弟か

さっきの話の中で、売られてしまった兄がいるって話が出ていたから

そんなことはどうでもいいか

小(兄)「あんな奴が俺たちの兄貴なんて思ってないけど…それより、なんで園長先生を！」

小(弟)「園長先生を解放してください！」

２人は目を細めて俺を睨んでいる

説明するか

でも、どうしようかな

こんな小さい子たちにそのまま言ってしまうのは

良くないだろうか

まあでも、言葉を砕いて話せばいいか

そう考えて、俺は口を開いた

　『よく聞いてね。安東保…いや、園長先生はね、とても悪いことをしたの』

２人は納得をしていないという顔をした

　『君たちには、お兄ちゃんがいたんだよね？でも、そのお兄ちゃんは姿を消した』

小(弟)「…３年前です」

小(兄)「俺たちと同じオッドアイの優しい兄貴だったのに、どっか行ったんだ」

俺たちと同じオッドアイ

そのフレーズを聞いて、俺の心臓がドクンと高鳴った

だが気にせず、俺は続けた

　『そのお兄ちゃんが姿を消したのは、園長先生のせい。今まで色んな子供たちも同じようにされた』

小(弟)「そ、そんな…」

小(兄)「じゃあ、兄ちゃんは今どこに？」

　『さあ？俺には分からない。俺の場合は人体実験に使われたな、ヤクの』

おっと、いらないことまで喋っちゃった

小(弟)「俺の場合って、貴方も売られたんですか？」

弟のほうが、俺の話を不審に思って質問してきた

　『まあね』

そう言えば、俺が売られたのは１５の時

そう言えば、今から３年前だな

俺はさっきの、お兄ちゃんのほうの子の話を思い出した

同じだ

さっき２人が話した、人身売買されたお兄ちゃんと同じ

しかも俺もオッドアイじゃん

まさか

色々考えたが、俺はそこでやめた

入間さんが待ってる。早くいかないと

　『じゃ、もう俺行くからね』

そう言って、俺は２人に背を向けて部屋を出た

そして、ドアを閉める直前

　『強く生きるんだよ』

何故かそんな言葉が俺の口から漏れていた

２人はハッとして、驚いたような顔で俺を見た

何だろう

俺、なんかおかしいことを言ったかな

そう思って質問をしようと持ったが止めた

そして俺は、ドアを閉めて

そのまま、施設を出たのだった

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