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「たまたま会場にね……たまたま(・・・・)

兵頭が机の上にしゃがむと、里見を覗き込んだ。

「試合が中止になって、暇になったから見に行っただけだよ」

里見は余裕そうに答えて、兵頭の額にデコピンした。

「俺は暇でも水泳なんて見ないけどね」
「俺もー」
「はい俺も」

「なに?お前らも俺のこと疑ってんの?」

男子から疑いの目を向けられても尚、余裕な態度は変わらない。なんでそんな風にいられるの、本当にムカつく。

「サッカー部の試合が中止になったのは本当だよ!海斗は嘘なんて吐いてない」
「そうだよ、海斗くんがそんなことするわけない」
「海斗があんな動画を撮る理由なんてどこにもないし」

沙良を筆頭に女子達が里見を擁護し始める。里見が小さく口角を上げたのを見て、私の中の理性が徐々に崩れていくのを感じた。

「はい出ました〜里見親衛隊!」
「よっ親衛隊!」
「そんなんじゃないから!マネージャーだったからここに書いてあるだけ!」
「えー?でもお前、里見と別れてサッカー部のマネージャー辞めたんじゃなかったっけ?」
「なわけないでしょ、てか今それ関係ないし」

「──バッカみたい」

教室が静まり返るのが分かった。

「…アンタなんでしょ?動画撮ったの」
「…A、」
「だってそういうの、"得意"だもんね?」

里見の顔が歪む。さくらが私の袖を引いて首を振ったけれど、私はそれを見ない振りして続けた。

「誰がアンタのこと庇っても、私は絶対アンタが犯人だと思ってるし、誤魔化したってどうせすぐ暴かれる」

淡々と里見を追い詰める。皆、驚いたように私を見ていた。私がこうやって表立って誰かを攻撃するのが珍しいからか、それとも別の理由からかは分からないけれど。

「ちょ、っと、何?どういうこと?全然話分からないんだけど」

沙良が戸惑いを滲ませる。私は「知らない方がいいかもね」とだけ返した。教室は再び、気まずい沈黙に包まれる。

「甲斐ー、さっきからなんで黙ってんの?いっつも最前線でギャーギャー喚いてるくせに」

沈黙を破ったのは、唯月だった。挑発的な態度の唯月を、甲斐はうるせぇと一蹴する。

「俺達で犯人探しなんてしても意味ねぇだろ。答えるのは刑事なんだから」


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麻衣(プロフ) - ふと思い出して、久しぶりに読みました!やっぱり続きが気になるほど面白いです(*^^*) (2021年8月23日 17時) (レス) id: 54c29ceb24 (このIDを非表示/違反報告)
paruru1012(プロフ) - 続きが気になる、、笑 (2020年8月18日 18時) (レス) id: 13c845282e (このIDを非表示/違反報告)
nerine(プロフ) - とっても楽しく読ませて貰いました。もう更新はしない感じですかね?もし、作者様にお暇があれば是非無理のない程度にお話書いてくれるととっても嬉しいです!もし、書くつもりが無いようでしたら他の人に引き継いで貰ってはどうでしょう。楽しみにしてます!! (2020年3月31日 19時) (レス) id: b9ed9857b8 (このIDを非表示/違反報告)
みる - めちゃ面白いです!とても上手で凄いです!これからも頑張って下さい! (2019年3月13日 23時) (レス) id: f3a7e8072b (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - りあさん» コメントありがとうございます^^ 好きと言って頂けてとても嬉しいです!更新までもう少しお待ちください…! (2019年3月5日 19時) (レス) id: d2c549795f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほたる | 作成日時:2019年2月10日 23時

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