【和/泉/三/月】3日後の行方【ア/イ/ナ/ナ】 (ページ44)

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家に帰ると、暗い部屋が私を出迎える。足取りはフラフラとしていて、疲れ切っていた。帰路を歩いている途中、頑張ってずっと生きている意味を探した。でも、何も、見つからなかった。

　相談できる人もいない。このまま何処かへ消えたかった。そう、どこか遠くで、一人で、誰も知らない場所で、ひと思いに……。
　なんとなく、近くの心霊スポットを思い出す。それは樹海で、自決をした人が何人もいるという。私も、いいかもしれない。これ以上誰かに迷惑をかけたくなかった。

　一枚、紙を取り出す。うさぎが描かれた可愛らしい便箋しかなかった。まぁ、いいや、そんな大層なものじゃない。ただの手紙だ。

『優しく明るく、童顔でかわいい。周りよりも背が小さくてからかうと怒る。
そんな貴方を見ている分には好きだよ。

でもね、貴方が私に干渉しようとするのは嫌だ。

「幼なじみだから」
とか、建前の言い訳をするところが嫌。本音を言えばいいのに。むず痒い。
そんなんだったら私、手の届かないところへ行くよ。

世界中何処を探しても居ない。未知なんだよ。生きている人間には解明できないから。
とても面白いと思わない？

……あ、でも、実体は樹海にあるかもね。』

「……あほくさ」

　わざと、わざとだ。彼が私のことを引きずらないように、こう書いておいた。Aは嫌な人間だったんだな、いなくなってせいせいした、なんて思ってくれればいい。嫌ってくれればいいんだ。
　嫌ってくれれば。音も立てずに涙がこぼれた。なんだか心が弱りきっている。こんなにメンタルが弱かっただろうか。

「……」

明日、決行。