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残業終わりに、2人で居酒屋に来たのは覚えてる。9割私の愚痴に付き合ってもらっている状態で、2人してお酒が進んだのもちゃんと覚えてる。元からそこまで強くない私は簡単に潰れてしまって…………そこからの記憶がない!!!!!
『…んぅ、……っ…や、……め…!』
何度も何度も角度を変えて触れる唇が熱い。苦しくて涙が滲む。酸素を求めて薄っすらと口を開けたのが間違いだった。
『ン゛ッ…!?』
ほんの隙間に入り込んだのは、先輩の舌だった。ただの舌だけなのに、全てを翻弄されている気分になる。今すぐ突き飛ばしたいのに、指をしっかりと絡められていて、何よりもベッドに押し付けられているのとお酒がまだ残っているせいで力が入らないのだ。
もう、仕方ない……!最終手段だ!
「いって…!?」
ガリッと音がして、離れた唇。口の中に広がる鉄の味。うわ…と綺麗な顔を歪めた先輩がぺろっと出した舌は赤く滲んでいた。
…この際、噛み切ってしまえばよかった。
「何してくれてんの。」
『それはこっちのセリフなんですけど!?なんなんですか!?人が寝てる時にこんな……っ』
「キスしただけだけど。」
『じゃあ、なんで、服……!』
「お前が暑いだの脱がせろだのうるさいから。」
『嘘つけ!!!!破廉恥!!!!』
「……耳痛。」
なんで、なんで普通の顔してるの!?ボタンを全て外されていて、もはや上着のようになっているワイシャツ。下に至ってはもう下着一枚だ。
先輩はというと、シャツを第三ボタンまで開けていて、下は履いている。なんで私だけ!?(そこ?)
……………もしかして。
『…先輩、私のこと好きなんですか?』
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作者名:しあ | 作成日時:2019年6月27日 22時