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「――っ！！」
トントンが――の元に辿り着くと、血溜まりの中心に彼女が横たわっていた。
「なぁ――、なんで目ぇつぶってるん？」
『うっ…。トン…トン…。』
「喋らんでええ！！はやく、はやく神の所にっ！」
トントンは焦っていた。
―――人は焦ると周りが見え無くなるものである―――
だからトントンは気づかなかった。
ニヤリと笑った敵兵に。
キラリと光った矢に。
『トントンｯ！！』
ﾄﾞｻｯ
一瞬にして、トントンの目の前が真っ赤になる。
トントンの頬に返り血が飛ぶ。
「…え。」
トントンの上には、真っ赤で背中に矢が刺さった――が倒れていた。
…――がトントンを庇ったのだ。
「…なんで。なんで俺なんか庇ったんや！？は、はやく神の所に……え。嘘やろ…。
心臓が動いとらん。」
みんなが大好きな彼女は…
みんなのことが大好きな彼女は…もう。
続く
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作者名：しわす | 作成日時：2019年5月20日 18時
