【d!】喜劇的レゾンデートル (ページ8)

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08. ページ8

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「ならば自己紹介からだな。
俺はグルッペン・フューラー。この国の総統だ。だが別にお堅い呼び方なんぞしなくてもいいからな。」

「はい。総統閣下」

そう呼べば、分かりやすく不機嫌そうな顔を見せたが、今は見逃してくれるらしい。堅くなくていいと言っただろう…と拗ねたような顔を見せた。

「……………まあ今はいい。」

「俺はシャオロンや。
因みにやけど、お前の片脚ぶっ壊したのは俺。」

このタイミングでカミングアウトするのか。自分で壊しておいて自分で世話をするって、どんな気分なんだ。

「………そうですか。」

「めっちゃええ顔するや〜ん。表情筋はプログラムされてへんのかと思ったわ〜」

思わず顔を顰めて睨みつけてしまった。印象最悪である。にやにやと愉しそうに笑う顔は、さながら子供のようだ。

「煽るなシャオロン。

まあそうだな、君の名前も決めなくてはならないな…。
………"A"だ。Aにしよう。」

A、。また、じんわりと胸の辺りが暖かくなった。

「…インストール完了です。」

「インストールねえ…あー、そういや契約せなあかんな。前の契約者との契約は切れとるか？切れてないのであれば、切らなくてはならないだろう。生体リンクはできるか？」

「…正常に稼働しないかもしれませんが、試してみます。 …《生体リンク開始》」

《リンク失敗。反応無し、生命活動の停止を確認。契約破棄完了。》

あれは戦場で死んだのか。とぼんやりとしか思い出せない契約者の顔を頭の中に浮かべた。悲しいとも、思えない。

「…はい。破棄完了しました。」

「おう、なら契約を頼む。」

「…《契約》」

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