【d!】喜劇的レゾンデートル (ページ9)

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私と彼の足元に模様のついた円が浮かぶ。唐突に出現したそれは、煌々と眩しい程の輝きを放っている。それから数秒後に、互いの腕に模様が浮き出てきた。ブレスレットのような、手錠のような。
それは肌に吸い込まれるかのようにすぅ、と消えていった。

「…不思議なものだな。」

「…完了致しました。
当機は只今より貴方の忠実な従僕となり、」

「そういうのは必要ない。
君と私は対等な存在だ、多少立場の違いはあるが。"契約"というのは絶対に上下関係を築くことじゃないんだゾ。」

「…対等。」

さっきと同じ感覚。じわりとないはずの心臓の辺りが、暖かくなるのを感じる。そんな私の反応を見て、グルッペンはにやりと口角を上げた。シャオロンもくすくすと笑っている。

「…いい顔をするじゃないか。さあ、今日の話はこれで終わりだ。ここに関して、君に関しての詳しいことは後で話をしよう。紹介は今日の夕食時だ。それまでにシャオロン、Aをロボロのところに案内、脚を診てもらってくれ。2人は一緒に行動するように。幹部棟の食堂までの道案内も頼むぞ。」

また知らない人の名前が出てきた。隣に座るシャオロンをちらりとみる。私に付き合っていて大丈夫なのだろうか。幹部なのだから、仕事はあるだろうに。

「…情報処理班行かなあかんの？こいつ連れて？」

「……………まあ、仕方ないだろう。」

「…はあ、こればっかりは…」

「あぁ。じゃあ頼んだ。」

「………ん。行くでA」

私の心配していたことに関しての議論はひとつも行われなかったわけだが、大丈夫なのだろうか。…そんな疑問を抱えながら、片脚で立ち上がった

また持ち上げられ、肩に乗せられる。それをグルッペンは親の様な目で見つめた後、自分の執務用の机に戻って行った。シャオロンも同時に歩き出し、ロボロという人の元へ歩き出した。

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《契約》

普通の契約。機凱が契約者に忠誠を誓う事。
円陣が足元に出現し、その後身体の何処かに契約関係にあることを証明する印が浮き上がる。
首にできたり腕にできたり、場所は機体によって異なる。

《生体リンク》

機凱側が、契約者が生きているかどうかを確認できる。生存確認に使うのが一般的。これでリンクが出来なかった場合は、死亡とされ、自動的に契約が破棄される。