【d!】喜劇的レゾンデートル (ページ20)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:49,648 hit

20. ページ20

.

扉から離れようとした時、こんこん、と音が鳴る。扉の外から。シャオロンが言い忘れたことでもあったのかと思いゆっくりと扉を開けば、クラシックなメイド服を着た美人な女性が立っていた。綺麗な茶髪をお団子にしている。

「夜分遅くに失礼致します。

私、数日の間A様の世話係に任命されました。
リズと申します。」

唐突な訪問。総統閣下に任命されたのだろうか。

「えと…世話係、ですか？」

「はい。要らないとお思いになるかもしれませんが。手は焼かせて頂きます。」

「は、はい…宜しくお願いします…？」

にこりと笑みを浮かべてから、リズ、さんはお辞儀をし、部屋に入って扉を閉じた。そして部屋をくるりと見渡してから私に声をかけた。

「特に掃除は要らないようですし、先ずはお風呂ですね。髪が傷んでおりますので、私も御一緒致します。」

「わかりました。」

先程シャオロンに教えてもらったお風呂場に向かおうと身体を翻せば、リズさんが私を凝視している。不思議そうな顔で。

「…服はそちらしかお持ちでありませんか？」

「…はい。」

「わかりました。新しいものをお持ちします。」

「あ、いえ…私はこれでも、」

「服は多く持っていた方が楽でしょう。お気になさらないでください。」

「…ありがとうございます。」

そう言うと彼女はにこりと微笑み、「どういたしまして」と言った。その後後ろを向き直った耳元に手を当て、ぶつぶつと何かを話すと私の方に向き直った。

「では行きましょう。」

..

青年A様主催の企画に参加させて頂きました〜

【d!】テーマ交換所【合作】

読んでいただければ嬉しいです〜！

.