【d!】喜劇的レゾンデートル (ページ17)

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私はガタリと音を立て、椅子から立ち上がる。全員の視線が私に突き刺さる。怯むな。

「私が裏切ったら、殺して頂いて構いません。」

部屋の空気が変わった
とん、と自分の胸元を叩く。

「ここに私の "コア" があります。それを壊せば私の生命活動は停止し、行動不能になります。コアを壊されればそれを治すことも出来ません。」

例え私を作った博士でも。ですから、

「私が裏切った、国に害があると判断した場合は、直ぐにここを狙ってください。命は、惜しくありません。」

深々と頭を下げた。

「……グルさんはなんで、こいつにそんな信頼を置いてんねん」

gr「理由は無い。」

「…………はあ…そこまで言うならもうええわ。信用は出来ひんけど、ちゃんと実力と態度で示してくれや。そうすれば、多少は見る目も変わる。

但し、少しでも変な動きしたらすぐ殺すからな。」

目を伏せてこくりと頷いた。

gr「トン氏、意外だな。お前は俺の事なんぞ無視して追い出すものだと思っていたぞ。」

「…妥協や。」

sha「ありがとうな、トントン」

..

トントン、さんの言葉でその場は収まり、夕食となった。やはり軍上層部となると警戒心も強い。ちゃんと、実力で示さなきゃ、いけない。

…けど。

「…あ、あの…私食べ物は摂取する必要ないのですが…」

目の前に取り分けられた料理が並ぶ。それは全て私に向けたものだ。私にはそんなもの必要ないのに。

sha「気持ちの問題やろ！ちゃんと食った方ええで？」

rb「せやぞA！食わなやっていけへんぞ！」

gr「ここの飯は美味いゾ。」

顔見知りの3人に押され、料理を口に運んだ。

「…、美味しい、です。」

前の国じゃあ、機械だからといって1年半放置されていたから食べ物なんて、久しぶりだ。

sha「美味いやろ、食わな損やで。」

「……はい。」

gr「…歓迎していない奴も居るとは思うが、今日はAの歓迎会だ。お前らも自己紹介してやれ。」

…確かに歓迎されていないけど、それを本人の目の前で言うのか。口には出さずともそんなことを考えながら、私は自己紹介に耳を傾けた。

..

「…A、食害効くんかな」

「お前それはアカンやろ…やめといたほうが…」

「慣れてきたらやるか…」

「聞いとる？」

..

《コア》

人間で言うところの心臓
壊されると、生命活動が停止し、再起不能となる。