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「Aさんセンスいいなあ。このお店飯もうまいし、雰囲気も良くてめっちゃいいです」
ずっと気になってたお店だったけど、食事もお酒も美味しくて来て良かった。絶対リピる。
ジェノくんそんなにお酒飲まないとはこないだも言ってたけど、今日はそこそこ飲んでるんじゃないかな。少しほっぺ赤くなってる。
『ね、良かった。外観だけ見て良さそうだなって思ってたけど、正解だった〜。ジェノくんも大学のお友達とか連れて一緒に来たらいいよ』
「いや…ここはもったいなくて教えられないです。うちの学生は駅のあっち側でいいんですよ」
ジェノくんのいうとおり、彼らの通う大学がある駅のあちら側は学生街、こちら側が少し大人の雰囲気って感じの街。ここの店内も学生っぽい人なんていない。
「それにここのお店はAさんとの秘密にしたいかも」
ってニコって笑うジェノくんにドキドキしたけど、それを隠すように答える。
『もう…秘密とか言われると悪いことしてるみたいじゃん』
ロンジュンくんが、あいつ天然なんですよって言ってたのをふと思い出したの。
こういうことなんとも思わずに言うのかもって思ったら、ドキドキしちゃった自分を落ち着かせなきゃって思った。
「俺、結構な人見知りなんですよね。だからこないだ会ったときもそんなに話せなかったんですけど…」
こないだはドンヒョクくんとロンジュンくんのやりとりが面白すぎたし、ジェノくんはいつも隣でニコニコの立ち位置なのかなって思ってたら、あれ人見知りだったんだ？気づかなかった。
『だから、今日の事とか俺からしたら一度会ったきりの人でそんなこと絶対できないんですけど、なんなんですかね。不思議とあの瞬間Aさん見つけてとっさに走って腕つかんじゃいました』
だからさ。そういうところ。やっぱ天然なのかな。
普通の女の子ならこれでコロッと…いや、私も普通の女子だわ。コロッとまではいかないけどさっきからちょっとドキドキしてる。いやいや、そうじゃないでしょ。しっかりしろ私。
『あ〜それはさ、ロンジュンくんのバイト先の先輩とかそういうのもあったからじゃないかな。超初対面の人より、友達の知り合いとかの方が親近感わくって言うか』
そんなもんですかねえ…って言ってるけど、そうだよ、そういうことなの！ってもはや自分に言い聞かせてる。
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作者名：chato | 作成日時：2022年4月12日 23時
