〇 ページ13
*
「結局ご馳走になっちゃって…ありがとうございました」
あのあともちょくちょくジェノくんの天然発言らしきものは出ていたものの、ドキドキ回避のために大学とか高校時代の話を振ったらたくさん話してくれた。色々聞いてたらあっという間に2時間くらい経っていて、ジェノくんが払うって言ったのを阻止して私が支払いを済ませた。
『いえいえ、私も楽しかったし。それに一応社会人だからさ、お礼といえど払ってもらうわけにはいかないよ』
「じゃあ…次行く時は割り勘にましょうね」
え、次？次行く約束なんかしてないのに。と、また勝手にドキドキする。
『ん、そうだね。またジェノくんが女の子に追いかけられてるの見たら助けなきゃだもんね』
どんなに冷静にって思っても次から次へとドキドキするような発言するから、女の子たちに追いかけられてたのも納得できる。
「あの、連絡先…聞いたらダメですか？」
『え…？』
「また俺があんな事になったら助けてもらわなきゃだし？」
『呼び出されたってすぐに駆けつけられるかどうかは…』
「はは、冗談です。じゃなくて、また駅のこっち側のお店とか行ってみたいから…その時はまた一緒に行ってください」
なんて、ニコニコしながらスマホのQRコードの画面出されちゃったからすんなり連絡先を交換してしまった。
「Aさんは、これからあのBARですか？」
駅も近づいてきた頃そう聞かれる。今日は行く予定じゃなかったけど、そもそも予定が変わっちゃったし顔だそうかな。
『ん、そうだね。ジェノくん一緒に行く？』
「今日は…やめときます。少し飲みすぎました」
『ふふ、だね。顔まだ少し赤いもの。週末ゆっくり休んで』
そんなに赤いですか？って手をほっぺたに当てて確かめてる。少し酔ってるせいもあってか、ふにゃっとした笑顔が余計に可愛らしく感じる。
「Aさんもあんまり飲みすぎないでくださいね。こないだドンヒョクが帰り道心配してましたけど、実は俺も結構心配してたんですよ」
『え、あ、そうなんだ…でも私んちホント大通沿いだしさ』
「でも女の子なんだから。Aさん」
ちょうど駅へ向かう道とBARに向かう道で分かれる場所。
楽しんで、気をつけて帰ってくださいねって帰って行ったジェノくん。私は年下の男の子から女の子扱いされたのがくすぐったくてそしてまたドキドキしてた。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1121人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chato | 作成日時：2022年4月12日 23時
