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目が覚めると、見覚えのない天井が見えた。
「……あれ、ここどこ…」
身体を起こして部屋を見渡すと、ソファの上で寝ている祐基くんが見えた。
そっか…私昨日あのまま寝ちゃったんだ…
自分でベッドに行った記憶はないので、きっと彼がここまで運んでくれたんだろう。
人様の家で勝手に寝た上に、ベッドまで占領してしまった自分の図々しさに頭が痛くなった。
あ、祐基くん何も掛けずに寝てる……
私が布団まで取っちゃったから…
今更かもしれないけど、ベッドの上から自分が使わせてもらっていた布団を取って、寝ている祐基くんにそっと掛けた。
そのままの流れでソファの足元に座り、何となく顔を覗いた。
スヤスヤと寝息を立ててぐっすり寝てる。
「ふふっ、口空いてる…」
あまりに気持ち良さそうに寝ているので、自然と笑がこぼれてしまった。
睫毛長いなぁ…羨ましい…
暫くぼーっと寝顔を見つめていると「…ぅんん」と唸りながら祐基くんの瞳がゆっくりと開いた。
「あ、ごめん起こしちゃった?」
「…うーん、」
寝ぼけ眼をこすりながらソファから起き上がった祐基くん。
「おはよう」
「…ん、おはよ」
「ごめんね、勝手に寝ちゃって…ベッドも占領しちゃったし…」
「そんなの全然だいじょーぶだよ」
「ベッドまで運ぶの大変だったよね、それもごめん」
「いーや、Aちゃん軽いから余裕だったよ」
両手を上に挙げて、お手本の様に気持ちの良さそうな伸びをした祐基くんは「布団ありがと」と言いながらソファから立ち上がった。
「よし…準備してさっそく行こうか」
「あ、うん…」
一瞬忘れかけてたけど、祐基くんのその言葉で昨夜の出来事が蘇ってきた。
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京(プロフ) - みさん» コメントありがとうございます。たくさんの嬉しいお言葉恐縮です...!完結まで見届けて頂きまして本当にありがとうございました!番外編の方もよろしくお願い致します。 (2019年2月25日 10時) (レス) id: 4f5277fea8 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - はじめまして、ほぼ毎日ドキドキしながら更新を待ってました!完結お疲れ様でした。ラストに近づくにつれて涙止まらなかったです…。完結してしまって寂しいですが、番外編も書かれるとのことで最後まで楽しみにしています! (2019年2月25日 0時) (レス) id: 47a502277b (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - まのさん» まのさん、コメントありがとうございます。拙い文章ですが、これからも読んで頂けると嬉しいです! (2018年10月17日 22時) (レス) id: 4f5277fea8 (このIDを非表示/違反報告)
まの(プロフ) - だいすきです…すごく大好きです…!更新楽しみにしています……! (2018年10月17日 20時) (レス) id: 884b859a47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:京 | 作成日時:2018年9月18日 1時