リナリア

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「Aちゃんは優しいね」

「そんな事ないよ」

「そんな事あるよ〜」

「はは、何それ」

「ありがとね、」

「何にもしてないよ私」

「ううん、ありがとう」

「じゃあ…どういたしまして…？」

「ははっ」

「ふっ、なにこれ」





ポツリポツリと短い言葉を交わしながら、会話のキャッチボールをする。

何だかそれが凄く心地良い。



世間話をしながらお酒を飲んで、ゆったりとした時間が過ぎていった。


お互い割と早いペースで飲んでいた為、コンビニで買ってきたお酒を飲み終えてしまいそうだ。




「もうお酒飲み終わっちゃうね」

「あ、ほんとだ」

「祐基くんまだ飲めそう？」

「うん、まだへーき」




あ、そう言えば…


この間営業の人が取引先で貰ってきたワインを「お酒飲めないから良かったら飲んでよ」と言われて、頂いたのを思い出した。


結構良いワインだったから、1人で飲むより誰かと共有したいと思ってたから丁度いいかも。




「うちに頂き物のワインがあるんだけど飲まない？」

「え、飲みたいーいいの？」

「うん！じゃあちょっと取ってくるね！」

「俺も一緒に行こうか？」

「はは、すぐ隣だから大丈夫だよ」

「そっか、じゃあお願いします」




ペコリと頭を下げた祐基くんに「じゃあ行ってくるね」と声をかけて、家の鍵だけ持って外に出た。





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