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「邸の前を掃除していたのは末弟か」
「は、」
「カワイイな、何だアレは。ちいさくてフワフワだった」
「…おぉ……」
「絞り出すな声を。こっちは弟に飢えているんだ」
「……」
「複雑な顔もするな」

 唐突に始まった三者面談。
 異常な緊張感の漂う煉獄邸。

 一方Aはご機嫌である。
 なんせカワイイ後輩のお宅訪問だ。邸は隅々までキレイだし、茶も菓子もうまい。居心地がいいのでガッツリくつろいでいた。
 目の前に並んで座る父子を見て、男前だなぁと思う。

 なお煉獄父子は限界を迎えている。

 なぜって、槇寿郎が引退する数年前。当時の最年少で柱に就任したのが、忘れもしない、四月一日Aである。
 あの頃の槇寿郎は……気迫があり、実力も確かだった年若い女剣士を、けれど心配していた。軽んじたりはしなかった。それでも出来得る限り守ってやろうとさえ思っていた。彼女がいつも一人でいるのを気にかけて食事に誘ったりもした(すべて断られたが)。
 
 だから、まあ端的に言って気まずいのである。
 杏寿郎については言わずもがなで、ずっと微振動していた。

「ん、」
 茶を飲み干してようやく、あれ私ってばすごいリラックスしてたな、とAは気づいた。居住まいを正す。雰囲気が変わるので、煉獄父子もハッとした。


「それで、弁明はあるか?親父殿(・・・)


 ……ワザとらしい口ぶりだった。

 同僚であった時分、Aは槇寿郎のことを「煉獄」と呼んでいた。そこに親しみはなかったが、炎柱を多く輩出した名家であることを、多少なりとも信頼しているような……そういう重みのある声だったことを覚えている。
 不思議と背筋の伸びるような思いがしたことも。
 自分の息子がいつか、このひとに、同じように呼ばれるだろうことを嬉しく思ったことも。

 だから、つい。
「お前に何が分かる」


 ──落ちぶれていることくらい、自分がいちばんよく分かっている。
 だからってどうしろと言うのだろう。

 父から突き放されながらも努力を続け、上弦の鬼と戦い生き延びた息子。2体もの上弦の鬼を討伐した耳飾りの小僧。
 そして、自分を見つめるこの女。
 お前たちと俺は違うのだと、誰より俺が分かっている。

 妬ましいとさえ思えなかった。何もかもがバカバカしかった。無惨を倒せるというのならそうすればいいし、それが叶わずともどうでもよかった。
 どんな結末だとしても、きっとそこに自分はいない。
 並び立てない。
 必死に食らいついてそうなるのなら、そんなに惨めなことはないから。諦めて、弁えて──



「はぁ?」

 

ゝ→←家族会議(ただし血縁でないものが取り仕切るものとする)



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海神 瑠花(プロフ) - 再会ですか!?わーー!!このシリーズすっっごく好きで更新あったりしないかな〜って常々楽しみにしていたので嬉しいです!ありがとうございます楽しみにしてますね!! (6月27日 7時) (レス) id: 047a8ff329 (このIDを非表示/違反報告)
アホ毛50%(プロフ) - ノルンさん» 再開していきます…!応援ありがとうございます♡ (6月21日 22時) (レス) id: d38558f5f7 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 更新されとる!!!!!!!ありがとうございます!!! (6月21日 7時) (レス) @page7 id: 01548bf821 (このIDを非表示/違反報告)
shashakidayo(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて何度も読み返してます!更新の予定はありますか?! (2021年1月3日 1時) (レス) id: 2928414592 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - スピード、センス、ギャグ、ノリ、何をとっても最高に面白かったです!!続きも楽しみにしてます!!! (2020年7月6日 17時) (レス) id: 6412d0e74c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アホ毛50% | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年11月23日 19時

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