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そんなん無くても勝てるので…… ページ3

 
 
 さて。

 地獄の機能回復訓練とか、あの(前作最終話付近参照)説教を前提としたちょっとした扱きとか。まあなんやかんやと柱十名が本調子を取り戻した頃、産屋敷邸にて収集がかけられた。

 前回は御内儀のあまね様より痣の説明がなされた。
 では話には出(ていたがAについての案件のせいで後回しにされ)た柱稽古について、話し合えということだろうか。
 そんならお達しして下されば勝手にやっとくのに。

 各々で思案しつつ待機していると、襖が開く。
 姿勢を正す。
 ご息女がいつものように「お館様のおなりです」と……


 …………ん……?

 ……え?あ、いや待て。おかしい。
 おなりになるはずがない。
 おなるな(ちょっと卑猥ですね)(誰?お前)

 何故って、お館様は既に立つこともままならぬ身である。
 考えるだけで吐きそうなほど悲しいことではあるが、それが事実だ。え?本トに吐きそう。まさかお館様の邸宅でそんなことはしないが……。そうだ、ここは邸内。それならまあ……いやまさか。無理がある。有り得ない。

 ……いや!いや、いやいや。期待してもいいんじゃない?こんなクソゲーな現実を真面目に攻略してんだから都合のいい奇跡が起きたってよくない?たまにはさ。
 あ〜……思い出したらムカついてきた……
 まずなに?鬼って。地球のバグで一年間くらい常に太陽降り注いでくれねーかな〜〜。どいつもこいつも焼けて死ね。

 ア゛っ!
 待って畳が軋む音した。待って。待って?


 実際にはもっと厳かであるが、まあこんな感じ。
 パニックになった柱たちの思考の間、約二秒。


「よく来たね、私の可愛い子ども達」


 反射で頭を下げる。

 ……お館様の声だ。間違いようがない。産屋敷耀哉その人の、えも言われぬ美しい声だった。
 どいつもこいつも目が点というか、ぐるぐる渦巻いている。畳の目を見つめながらみんなして汗をかいていた。いかにも状況を飲み込めていません!と訴える気配に、けれど誰も応えてくれない。

「お館様におかれましても、ご壮健でなによりです。益々のご多幸を切にお祈り申し上げます」

 Aだけがケロッとして挨拶をかっさらった。
 彼女が面を上げるので、九人は仕方なくそれに続く。恐る恐る顔を上げた。早まるような、恐れるような気持ちで。


 産屋敷耀哉が、微笑んでそこにいた。

 身体中に至った痣はそのままに、けれど己の足で立っている。しっかりと立ち、……健康そうに、笑っている。

 

ゝ→←訓練であって拷問ではない



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海神 瑠花(プロフ) - 再会ですか!?わーー!!このシリーズすっっごく好きで更新あったりしないかな〜って常々楽しみにしていたので嬉しいです!ありがとうございます楽しみにしてますね!! (6月27日 7時) (レス) id: 047a8ff329 (このIDを非表示/違反報告)
アホ毛50%(プロフ) - ノルンさん» 再開していきます…!応援ありがとうございます♡ (6月21日 22時) (レス) id: d38558f5f7 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 更新されとる!!!!!!!ありがとうございます!!! (6月21日 7時) (レス) @page7 id: 01548bf821 (このIDを非表示/違反報告)
shashakidayo(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて何度も読み返してます!更新の予定はありますか?! (2021年1月3日 1時) (レス) id: 2928414592 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - スピード、センス、ギャグ、ノリ、何をとっても最高に面白かったです!!続きも楽しみにしてます!!! (2020年7月6日 17時) (レス) id: 6412d0e74c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アホ毛50% | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年11月23日 19時

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