調査 ページ10
「おい…どこ行くかくらい教えやがれ」
「いやあいい天気だなあ。いい天気すぎて妖精さんの声が聞こえるなあ。」
「巫山戯んな。俺の声だ。手前も何とか言えよ」
「ん?私は兄さんの考えに賛同するよ。」
兄さんにはそれなりに考えがあるのだろうと思い下手に口出しをせずに兄さんに耳を傾ける。
「ああ、君いたの。悪いけど私には話しかけないでくれる?ちょっと呼吸で忙しいから。」
「首引っこ抜くぞ包帯野郎に包帯の犬。そうじゃなくて、どこに向かってるか答えろ、つってんだよ」
「わかった。答えるから近くによらないでくれる?連れ立って歩いてるの思われたくない。」
「心配すんな。俺も思われたくねぇから。…ってなんで手前は近くに居んだよ。」
「嫌がらせ?」
敢えて私は中也くんの近くを歩く。兄さんの傍より気を張らなくていいからだ。
「まぁとにかく仕方ないから説明するけど、調査に行くんだよ。爆発を1番間近で目撃した人間に聞き込みに行く。」
「聞き込みだと?面倒だな。敵を締め上げて吐かせて終わりって話にゃなんねえのか?」
「まぁ早いけどね。兄さんは心理戦の方が得意だ。」
「第一なんで爆発なんか調べるんだよ。調べるなら先代の目撃情報だろ?」
たしかに普通はそう考えるだろうが、今回の事件は話が違う。
追うべきは先代の噂ではなく、荒覇吐本体の噂だ。蘇った先代が異能による偽装だとしたら異能者本人が荒覇吐の役回りを演じてることになる。
どんなに完璧な偽装をする犯人でも呼吸し食事し生活するのは避けられないからだ。
そんな話をしていれば話を聞きに行く予定の屋敷が爆発される。
「あーあ…派手にやられたね……」
「あそこに話を聞きに行くんじゃねぇのかよ。」
「犯人に先を越されたかなあ」
「つまりはこういう事だろ?めんどくせえ聞き込みから、口封じしに来た犯人シメて口割らせる作戦に変更ってことだろ?」
「はあ…?」
「最高じゃねぇか。行くぞオラ早く来い!(名前
)、手前もそっちの方がいいだろ?手伝えよ。」
左手を捕まれ手を引かれる。
「え?」
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作者名:双藍 | 作成日時:2020年10月6日 1時