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擂鉢街 ページ6

擂鉢街を広津さんと兄さんと歩く。

「兄さん、本読むのもいいけど周りに気を配らないと…この辺りは抗争地域だからね。…でしょ?広津さん」

「はい。」

「抗争?」

「現在マフィアと敵対中の組織は3つあります。高瀬會、ゲルハルト・セキュリテヰ・サアビス、そして3つ目の組織が、現在もこの付近で構抗争を続けています。」

「羊…か。」

私がぼそっと嘆く。

「羊?」

「正式な組織名は無く、ただの通り名ですが、今週だけでマフィアの班がふたつ落とされています。特にリーダー格の男が非常に厄介で、噂では銃弾が効かないとか」

そこへ兄さんの携帯に首領からの連絡が入る。

兄さんが話を終えようとした時だった。

「兄さん!!」

異変に気付くが一足遅く、兄さんは吹き飛ばされる。

兄さんの上には男が乗っていた。

「兄さんから降りなさい。」

「ははは!こりゃあいい!ガキ2人のうち1人は女とはな!泣ける人手不足じゃねぇか、ポートマフィア!」

暗緑色のライダースーツを着た少年だ。
彼は私を無視して兄さんに問う。

「お前に選択肢をやろう、ガキ。今死ぬか、情報吐いてから死ぬか。好きな方を選びな。」

「ふざけないでくれる?…あと、私を舐めないで?これでも幹部補佐よ。…貴方の狙いは何。」

「お前らが調べてる荒覇吐の情報だ。」

荒覇吐…?初耳だった。恐らく神の類いだろうか。

そんなことを考えていると兄さんが口を開く。

「…嗚呼。荒覇吐か。成程……荒覇吐ね……」

「知ってるんだな?」

「いや、初耳」

兄さんはあっさりと言い放つ。にやりと笑った少年は兄さんを蹴り上げる。

それを見て間に入れば広津さんが呼ぶ。

「A幹部補佐!いけません!」

「広津さん、私兄さんをここまでされて黙ってられないの。それにそんなに弱くない。」

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作者名:双藍 | 作成日時:2020年10月6日 1時

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