三対二 ページ21
「蘭堂さん、貴方は何者なんだ?」
兄さんが問う
「かつての私は、敵国を出し抜き情報を持ち帰るために選抜された欧州の異能諜報員であった
そして八年前、任務のためにこの国に潜入した。目的はこの国で研究されているという、未知の高エネルギィ生命体を調査、奪取すること」
「それが荒覇吐……」
「だとしても欧州の異能諜報員だって?つまりそれは、世界でも数十人しかいない最高位の機能を持つ、超越者級の異能者ってことだ。
蘭堂さん、貴方はまさか」
蘭堂は一礼すると静かに口を開いた。
「改めて自己紹介をしよう……私の名はランボオ。アルチュール・ランボオ。能力の名は『イリュミナシオン』……私の目的は中也君、君を殺し、異能として取り込むことだ」
何条もの爆裂が殺到する。
中也は空中に飛んで回避をする。
「君も忘れたわけじゃないからね」
私にも空間波が襲いかかる。
さっきのダメージは大きく逃げるので精一杯だが、逃げるだけでは勝ち目はない。
その間に中也が兄さんを盾にする。
「ちょっと引っ張らないでくれる?襟の所が痛い!」
「うむ……その通りである。私の目から見ても、太宰くんの存在は異端……欧州にすら存在せぬ、究極の反異能者。しかし……」
「中也君!僕を思いっきり後ろに引け!!」
「兄さん!!」
私と兄さんが叫ぶのは同時だった。が、さらにそれと同時に鎌の先端が太宰の服、皮膚、筋肉の1部を引っ掻き、血の飛沫を纏って通り抜ける。
兄さんが呻く。
「莫迦な、こいつを傷つけられるはずが………」
「大鎌は本物か……」
「お前でも刺されりゃ死ぬってことか。」
兄さんに駆け寄り前に立つ
「あー……こりゃ無理だね」
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作者名:双藍 | 作成日時:2020年10月6日 1時