28:無理難題 ページ29
「お疲れ様です」と、出水とともに自分が所属する太刀川隊の隊室に入る。まだ、太刀川さんしかいなかった。
「おーちょうど良かった」と、太刀川さんは私達を手招いて、ひらりと一枚の紙を渡して来た。書類なら、私かな?と思い、私が手に取る。それを出水が覗き込む。
太刀川「添削頼む。で、終わったら三輪隊に回せよ。じゃ風間さんのとこ行ってくる」
「は?ちょっと!」
出水「…おれ課題するわー」
「おい!」
呼び止めたが太刀川さんは出て行き、出水は本当に課題を鞄から取り出して、「がんばー」とへらへら笑っている。
「ねぇ、お願い。代わって」
出水「無理」
「気不味いんだって」
出水「太刀川さんも気を遣ってんだろ」
「そんなの、迷惑なんだけど」
出水「…なんか、あった?」
「…うん」
しん、とする作戦室。
「…ねぇ、出水」
出水「ん?」
「やっぱり、何でもない」
出水「は?いや、いやいや。気になるだろ」
「教えない」
出水「ふざけんな、言えよ」
「…じゃあ、三輪隊に持って行って」
出水「それは…、お前が」
「そんな気遣い要らないよ、もう」
出水「え、ちょ、お前らマジで何があった?」
「…仲直り、したのかも」
出水「何故疑問系なんだよ」
「よくわかんない」
出水は私を、「じとー」とした目で見てくる。私はそれを無視して、太刀川さんに渡された書類の誤字を正していく。
その内、柚宇さんや唯我もやって来て、太刀川さんも戻って来て、昼間の任務をこなす。ぼーと、近界民が来るのを待ち、ゲートが開いたら、討伐して、時間が過ぎていく。
任務が終わって隊室に戻るが、隊長は行方不明となり、唯我は出水とギャーギャー騒ぎ立てているし、柚宇さんはガチでゲームを始めてしまい、テーブルには三輪隊に持っていかなければいけない書類が置かれたままだ。
「ほんと、無理ゲーなんだけど」
うだうだ言いながらも、三輪隊の人達が来る時間まで、課題をして、待った。
終わり ログインすれば
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ゆう - 続き気になるー!本当に面白いです!できれば更新していただきたい。 (3月17日 19時) (レス) @page29 id: 619c9e8827 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ - ここで終わるのはもったいない…続き、気長に待ってますから (8月11日 14時) (レス) @page29 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
Doll(プロフ) - 嫌だ! (2018年12月21日 14時) (レス) id: 637c8a3b3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋イノラ猫 | 作成日時:2018年9月2日 0時