【あんスタ】人魚姫【月永レオ】 (ページ11)

今日:7 hit、昨日:3 hit、合計:27,231 hit

10滴ページ11

.

パチリと目が覚める。すると、そこはいつもと変わらない池の底だった。私は気を失う前にあったことを曖昧な記憶を辿りながら思い出す。

『よかった、治ってる』

全てを思い出し、火傷をしてしまった腕に視線を向けるとそこは傷跡もなく綺麗に治っていた。そのことに安堵しながら私は池から顔を出そうとすると違和感を覚える。

手が異様に小さいのだ。
ううん、手だけではない。足も背も何もかも小さくなっている気がする。

私は池の底に落ちていたガラスの破片で自分の姿を確認すると、やはりいつもよりも幾分か小さくなっていた。

こんなこと今まで無かったのに……
そう思うがきっと怪我のことが関係しているのだろう。私は一人で納得しながらレオとセナさんの顔を思い出す。

そういえば、ずっと寝ていたから二人には会ってないや。そう思った私は慣れない身体で池の上へと泳ぐ。そして、顔を出すと

｢また姿を見せてくれよっ……｣

そんなレオの今にも泣きそうな声が耳に届く。
あぁ、そんな悲しそうにしないで。どうか貴方だけは笑っていて。あの太陽のような笑顔で私に笑いかけて。

そんな想いを込めて私はレオに話しかける。

『うん、いいよ』

するとレオは驚いた顔でこちらを向く。けれどそれは一瞬にして

｢A久しぶりっ！｣

私が大好きなあの笑顔に変わった。